
【プロフィール】
鷲崎 一成(わしざき・かずしげ)
元・山王病院脳神経内科部長(〜2025年3月)、国際医療福祉大学臨床医学研究センター教授(〜2024年)。1984年、東京大学医学部卒業。医学博士。米国国立衛生研究所(NIH)に留学し、帰国後は大学病院、救急病院、リハビリテーション病院に勤務。元・横浜労災病院神経内科副部長。東京大学医科学研究所招聘講師。日本神経学会神経内科専門医(元・認定指導医)、気象予報士。趣味は音楽(混声合唱団、ピアノ、スティールパン演奏)。推しはスヌーピー。
私が「気象予報士」でもある、納得の理由とは?
私のプロフィールを見て、「気象予報士」という資格を不思議に思われる方は少なくないようです。ですが、世の中には医師で気象予報士、という人はものすごく珍しいわけではないのです。
皆さまの中にも、「気象病」に悩まれている方は多いのではないでしょうか。そうです、人の体調は天気や気候の影響を大きく受けています。特に私は脳神経内科医ですから、天気の変化によって頭痛を訴える方のご相談が非常に多く、そこで天気の勉強をしました。
ただ、「片頭痛」という名称でも両側が痛むという方もいますし、頭痛の頻度が多ければ痛み方も変わってきたりして、ご自身では判断がつかないこともあります。天気のせいだと気づかない方も少なくありません。 原因不明の頭痛が、気象病ではなく、もっと深刻なケースもありますので、ぜひ一度受診してご相談ください。

実は、救急からインフルやコロナなど感染症まで、幅広く内科を診てきました
私は東大卒業後、1990年に米国国立衛生研究所の機関である国立老化研究所に2年間留学し、脳内の脂肪酸代謝の研究に従事していました。帰国後は大学病院、救急病院、リハビリテーション病院での診療を経て、横浜労災病院で救急医療にあたりました。
同院で神経内科副部長を務めた後、2000年からはおよそ四半世紀にわたり、山王病院で神経内科の診療に従事。臨床神経内科学の専門的知識・技能に基づき、堅実で正統的な診療を心がけてきました。
ただ実際、診療現場では、感染症はじめ幅広く内科全般を診てきています。
もともと救急の現場経験も長くあり、また、患者さんはが脳神経内科医であっても“ついで”に色々なことを聞いて来られる方が多いのです。特にインフルエンザの季節や、近年はコロナについても、多くのご相談に乗ってきました。
皆さん、ぜひお気軽にお尋ねください。

ご用心! 最近増えている「スマホ首」を甘く見ないで
最近の脳神経内科トピックとしては、ストレートネックが増えていることが挙げられます。正常な首の骨はゆるやかなカーブを描いていますが、そのカーブが消失した状態です。
このストレートネックの予備軍が、「スマホ首」です。うつむいた姿勢で頭を固定し、スマホやパソコンを使用し続けることで、首が前に出てしまった状態で、首のこりや肩こりが生じ、頭痛や背中の違和感を覚えることも。
放置すれば、ストレートネックに至り、治すのは非常に難しくなります。目の疲れ、猫背、腰痛が起きたり、神経に圧迫がかかることで腕や手にしびれやめまいが起こったり、最悪の場合はヘルニアや下半身麻痺に。
首のしわ、顔まわりのたるみといった美容面の悪影響や、自律神経失調症、うつなど心の健康への影響も言われています。
現在の生活では、誰しもがそのリスクにさらされています。長時間連続でスマホやパソコンを見続けないように意識し、ストレッチなどを間に挟むようにしましょう。
