COLUMN2
海外旅行中や帰国後に、何らかの症状が出ることがあります。旅行者下痢症もその一つであり、A型肝炎やB型肝炎、腸チフスに代表される病気のワクチン接種を受けていても、リスクをゼロにすることはできません。
ワクチン接種は大切ですが、病気のリスクを減らすためには渡航先での行動も重要なポイントになります。そこで、旅行者下痢症の症状や特徴などを解説いたします。
海外旅行中は、日常とは異なる状況から、様々な症状を呈する可能性があります。中でも海外旅行者に多く見られるのが「旅行者下痢症」と呼ばれる症状です。
旅行者下痢症とは、海外旅行者の2~5割程度の人に見られる下痢症状であり、渡航先が先進国の場合は数%の発症率ですが、東南アジアや中東などの開発途上国が渡航先の場合だと、7割以上の人がこの症状に悩まされます。
海外旅行による下痢症状の主な原因は、以下の感染症です。
基本的に下痢の症状は、数日間続くことが多いです。「たかが下痢だ」と甘く見て市販の整腸剤などで対処しようとすると、かえって症状が悪化したり、長引いたりすることもあります。旅行者下痢症を引き起こす原因となる感染症は、渡航先によって感染リスクが大きく異なります。
海外旅行で途上国に向かう予定がある場合は、事前に外務省のホームページで感染症情報を確認するなどして、情報収集しておくことをおすすめします。
また、感染症を原因としない旅行者下痢症のケースもあります。その場合の原因は、海外旅行中の食事や水、環境の変化に伴うストレスなどです。ストレスが原因の旅行者下痢症は、下痢の症状が短く、自然に治ることが多いです。ただし、何らかの持病を持っているなどの条件が重なると、症状が重症化するケースもあることを念頭に置いておきましょう。
感染症を原因としている旅行者下痢症は、「毒素原性大腸菌」の場合が多いです。これは腸内で「エンテロトキシン」という毒素を発生させる大腸菌の一種であり、下痢の他に腹痛や嘔吐などの症状もあらわれやすいです。軽度の症状であれば、2~3日ほど安静に過ごすと回復します。
一方、重症化して下痢の症状が強く見られる場合には、脱水症状の危険性がありますので、しっかりと水分補給しなければなりません。旅行者下痢症は、名前の通り下痢の症状があらわれますが、コレラのように水分量の多い激しい下痢、赤痢のように血便を伴う下痢など、症状のあらわれ方はそれぞれ異なります。
また、腸チフスの場合だと、下痢よりも発熱や関節痛などの症状が特徴的なケースもあります。いずれにしても下痢の症状が見られたら、脱水症状を回避するための水分補給と、速やかな医療機関の受診が重要です。旅行者下痢症は、現地到着の3日目前後に発症することが多い一方で、帰国時に検疫で判明するケースもあります。
海外旅行では、現地でどのような病気に感染するかわかりません。A型肝炎やB型肝炎、腸チフスといった病気に感染する可能性もあります。
事前に感染リスクを調べてワクチンを接種しておくことは、日本国内に病気を持ち込まないためにも必要なことであると理解してください。
ただし、ワクチンを接種していても、接種時期や回数によっては十分に効果を発揮しない場合もあります。感染後の処置が遅れると、重症化したり、感染が拡大したりする可能性もありますので、旅行中や帰国後に体の異変を感じたら、早めに医療機関を受診してください。
海外旅行中は、A型肝炎・B型肝炎・腸チフスなど、様々な病気に感染するリスクがあります。感染リスクの高い病気を事前に調べて、出発前にワクチン接種しておくことが大切です。
ナビタスクリニックでは、健康アドバイス、必要なワクチン接種、予防薬の処方が可能です。海外旅行のご予定が決まったら、早めにナビタスクリニックにご相談ください。
法人名 | 医療法人社団 鉄医会 |
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