-「塩入り」ドリンクや飴、何気なく口にするのは、ちょっと待って!-

2018.08.15

熱中症が心配されるこの時期、店頭を席巻するのが「塩入り」を謳った食品です。でも利用のタイミングを間違えると、かえって健康を害しかねません。

 

【まとめ】

☆暑くて汗だくになる環境や、運動中の熱中症予防には、0.1~0.2%の食塩水やドリンクを20~30分ごとにカップ1~2杯程度、摂取しよう。

 

☆塩入りドリンクはちょうどそれくらいの濃度。飴やタブレットは水と共にたべること。でも、汗をかかない快適環境で摂れば、すぐ塩分過多に。

 

☆経口補水液の常用はNG。塩入ドリンクや飴は塩分のほかに糖分過多も問題。食事は塩分から、水分は麦茶などお茶類がおススメ。

 

 

熱中症予防には、「0.1~0.2%の食塩水」補給

 

前回の通り、熱中症や熱けいれんを防ぐためには、体液の水分と塩分のバランスを保つことがとても大事。喉の渇きを自覚する前に、適切な水分と塩分の補給を心がける必要があります。特に高齢者や子供は、暑さや水分不足に対する調節機能が低く(高齢者は暑さを感じる機能も衰えています)、熱中症リスクが高いため、よりこまめに補給しなければなりません。

 

厚労省は、「暑さ指数」※が基準値を超える場合(=高温多湿で数値が大きくなります)、少なくとも、0.1~0.2%の食塩水、ナトリウム40~80mg/100mlのスポーツドリンク又は経口補水液等を、20~30分ごとにカップ1~2杯程度を摂取することが望ましいとしています。環境省によれば、運動時は暑さ指数に関わらず水分・塩分補給が求められます。

 

※暑さ指数:体感温度への影響の大きい①湿度②日射・輻射など熱環境③気温を、7:2:1の割合で加味した数値。単位は気温と同じ「℃」だが、湿度が高く、日当たりがよいほど値は大きくなる。

 

こうした知識の普及も相まってか、この時期、「塩入り」の飲み物やキャンディーなどが、夏の定番として店頭に溢れています。

 

 

塩入り飲料・飴、実際これだけ「塩分」入ってます

 

たしかに、「0.1~0.2%の食塩水」とか「100mlあたりナトリウム40~80㎎」の飲料などと数字を言われても、あまりピンと来ないですし、ただの食塩水を飲む気にもなりません。その点、「塩入り」商品は美味しく手っ取り早く塩分(ナトリウム)が補給できて便利そうに見えます。

 

では実際、「塩入り」商品にはどれくらいの塩分が含まれているのでしょうか?

 

『ロハス・メディカル』誌の調査によれば、以下の通り。

 

=====

店頭でもよく見かける人気「塩入り」清涼飲料水を複数チェックしたところ、ほとんどが前述の厚労省が推奨する塩分濃度に合致していました。また、飴やタブレットでは、食塩を1粒に0.1g含むものが多く、「水とともに」食べるよう書かれています。

(中略)

例えば、500mlのペットボトル1本に含まれる食塩量は、アジの開き1枚や、海苔の佃煮大さじ1杯、野沢菜漬けやキムチ小皿各1枚相当。塩入り飴やタブレットも、1袋に1g以上の塩分を含んでいます。

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さらに今回、実際に「塩入り」商品を店頭でチェックしたところ、清涼飲料水では、多くが塩分0.1%程度でしたが、0.2%という商品もありました。塩飴やタブレットでは、1粒に0.03gとほんの気持ちばかりの商品がある一方、中には0.3gという“強者”も! 商品ごとにまちまちな印象でした。

 

 

塩入り商品、飲む・食べる前に「いま必要か」考えて

 

厚労省「日本人の食事摂取基準」(厚労省、2015年版)によれば、高血圧予防には食塩は1日6g未満が望ましい、とのこと。しかし現状は、平均9.9g(厚労省、平成28年「国民健康・栄養調査」)摂取しています。

 

すでに塩分は明らかに摂り過ぎているのです。

 

となると「塩入り」商品は、あくまで熱中症予防のため差し迫った必要性がある時に利用する方がよさそうです。

 

例えば、運動時や高温多湿の環境で働いたり作業をしたりする時普段はあまり塩分を摂らないように心がけている人が、炎天下を歩いて汗だくなるような時です。

 

一方、冷房の効いた快適な職場や自宅で、何気なく飲

んだり食べたりするのは、ちょっと待って。「夏だから」と言っても、汗もかかないような状態では、簡単に塩分摂り過ぎになります。

 

脱水時の回復に心強い味方となる経口補水液についても、「健常者が、水分及び電解質の補給を目的として調製された清涼飲料水を、脱水予防等のためとして短時間に大量に摂取した場合、ナトリウム過剰摂取等による健康リスクが生じるおそれがあることに留意の上、当該製品の成分調製内容に適した広告その他の表示を行うこと。 」と消費者庁が警鐘を鳴らしています。

 

そればかりか、塩入りの飲料や飴などを安易に口にしていると、糖分摂り過ぎにもなります。「塩入り」と言っても、要は清涼飲料水ですし、飴=砂糖菓子です。だらだら飲んだり食べたりしていれば、「ペットボトル症候群」(糖分を含む飲料の大量摂取で血糖値が上昇して急性の糖尿病をひき起こすもの)につながります。

 

先日の発汗に関する記事でもオススメした通り、普段は、ミネラルの豊富な麦茶など、無糖のお茶で水分補給し、適度な塩分の食事を心がけるのが健康的ですね。

 

(参考サイト)

●厚生労働省「職場における熱中症の予防について

●環境省「熱中症予防情報サイト」

 

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