-ヘルパンギーナの患者数が急増中! 手足口病もシーズンです。-

2018.08.02

小さいお子さんたちの間で、夏かぜの一種「ヘルパンギーナ」の患者が急増しています。「手足口病」も今がシーズン。特効薬はありません。手洗いなど予防の基本を徹底しましょう。

 

【まとめ】

 

☆子供の「夏かぜ」の一種、ヘルパンギーナの患者が増えています。急な高熱が特徴。髄膜炎などの合併症では入院が必要です。

 

☆手足口病も、実は同種のウイルスの仲間が原因。今年は大流行は免れるかもしれませんが、安心というわけではありません。

 

☆特別な治療法や特効薬はありません! 手洗いなど基本的な衛生習慣の徹底を。

 

 

今まさに患者急増中のヘルパンギーナ。まだ増える?

 

例年、乳幼児を中心に夏に流行する「ヘルパンギーナ」。何者やら分からない不思議な名前の病気ですが、いわゆる「夏かぜ」。代表的なウイルスによる感染症です。

 

例年、5月頃から増加し始め、7月頃がピーク、8月頃から減少していきます。今年も例年並みに、7月後半に全国的に患者が急増。今後の動向が気になります。患者の90%は5歳以下。最も多いのは1歳で、次いで2、3、4歳の順です。まさに保育園児の年代の病気ですね。

 

感染経路は主に「口」。

 

●その1:患者のつば(唾液)や鼻水に含まれるウイルスの場合。

くしゃみや咳と共に飛んできて口に入ることがあります。また、患者が使ったおもちゃを借りたり共用したりすることで、間接的に口に入ることもあります。乳幼児はどうしてもおもちゃや手をなめたり、口に持っていくことが多いですよね。

 

●その2:患者の便に含まれるウイルスの場合。

トイレやおむつ替えの後の手洗いが不十分だと、ドアノブやスイッチなどにつき、そこを触った手に付きます。その手で目や鼻、口に触ることで、間接的にウイルスが入ってくることになります。あるいは、手洗いが不十分なまま生食用の食材(刺身、果物、生野菜サラダなど)を調理し、食べることで、腸で感染します。

 

感染してから症状が現れるまで(潜伏期間)、2~5日程度。その後、発症すると、突然39℃以上の高熱が出ます。熱性けいれんをおこすことも。のどが痛くなり、口~のどの内部に小さなプツプツ(水ぶくれ)ができることも。この水ぶくれがつぶれると潰瘍になって痛み、食べ物や飲み物を飲みこみにくくなりがちなので、脱水(こちらも参照ください)に注意が必要です。

 

熱は約2~4日で下がり、のどの症状も消えていきます。完全に治るまでは約1週間程度です。ただ、ごくまれに無菌性髄膜炎(詳しくはこちら)や急性心筋炎などの合併症も。症状が治まっても、約2~4週間は便からウイルスが検出されることもあるので、この期間は特にお友達などにうつさないよう、注意が必要です。

 

 

手足口病は今年は大丈夫そう? とは言い切れません。

 

もう一つ、乳幼児の「夏かぜ」の代表格に挙げられるのが「手足口病」口の中や手足などに水ぶくれの発疹が出るウイルス感染症です。毎年、流行のピークは7月下旬で、ほぼ1年おきに大流行しています。それからすると今年は、大流行は免れそうにも見えますが、まだ安心はできません。ちなみに昨年も夏の流行が冬まで続いて話題になりました。多くの感染症で季節性が薄れているので完全には楽観できませんね。

 

やはり患者の90%前後が5歳以下。原因となるウイルスは複数あり、実はいずれもヘルパンギーナの親戚。それぞれのウイルスの別の血清型によって引き起こされます(血清型については、先日のブログ「死因第3位の肺炎。予防に、もっと有効な方法があります!」もご覧ください)。

 

ですから、感染経路はヘルパンギーナと一緒です。感染してから3~5日後に、口の中、手の平、足の裏や足の甲などに2~3mmの水ぶくれ状の発疹が出ます。発熱はあっても高熱にはならず、しかも患者さんの約3分の1のみです。やはり数日で収まりますが、稀に無菌性髄膜炎などの合併症があるのもヘルパンギーナと似ています。注意深く見守る必要があります。

 

なお、ヘルパンギーナとの見分け方としては、手足口病の場合はヘルパンギーナよりも口の中の前方に水ぶくれの発疹が見られ、手や足にも水ぶくれの発疹があることなどが挙げられます。

 

 

特別な治療はありません! 予防も基本を徹底しよう!

 

ヘルパンギーナも手足口病も、特別な治療法はありません。特効薬はないのです。

 

通常は様子を見ながらの対症療法、出てきた症状がつらければ和らげる、といった治療になります。例えば、あまりに熱が高ければ解熱剤を使う、といった具合。

 

ただし、髄膜炎などの合併症では入院が必要です。高熱が出る、発熱が2日以上続く、嘔吐、頭痛、視線が合わない、呼びかけに答えない、呼吸が速くて息苦しそう、水分が取れずにおしっこがでない、ぐったりとしている、などの症状がみられたら、すぐに医療機関を受診しましょう。

 

予防に関しても、特別な方法はありません。感染者との密接な接触を避け、流行した場合はうがいや手洗いを徹底します。とはいえ潜伏期間中は症状もなく、子供同士の接触を禁じるのは難しいもの。やはり親や周りの大人が、ウイルスを拡げないための基本的な衛生習慣を大事にすることから始めましょう!

 

 

(参考サイト)

国立感染症研究所 「ヘルパンギーナとは」 

国立感染症研究所「手足口病とは」

感染症予防接種ナビ 「感染症アラート」(全国)

 

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