-そろそろ「ねんねトレーニング」、始めませんか?【森田麻里子 Child Health Laboratory 代表】-

2018.07.19

お母さんの「覚悟」と「納得」が成功の秘訣。赤ちゃんに伝わります!

 

【まとめ】

☆泣いてかわいそう? “やめない勇気”が母子を救います。

☆コツは、早めに寝かしつけ。ぐずってからでは遅いのです。

☆さんざん粘った後に根負けして抱っこ、は一番やっちゃダメ!

 

 

前回、夜なかなか寝つけない赤ちゃんは、お昼寝が十分でないのかも、という話を書きました。夜に限らず、ママの抱っこでないと、あるいは添い乳でないと寝ない、寝たと思ってもベッドに置いた瞬間に泣いて起きる、30分も経たないうちに起きて泣く……そんな赤ちゃんはたくさんいます。

 

すんなり寝てくれず、しかもすぐ起きてしまうとなれば、ママやパパが大変なのはもちろん、赤ちゃん自身も寝不足になってしまいますよね。

 

気になる方はこちらをチェックしてみてください⇓⇓⇓

「あなたのお子さんにぴったりの睡眠時間はどのくらい?」

 

そこでお勧めしているのが、「ねんねトレーニング」です。

 

「ねんねトレーニング」とは、読んで字のごとく、赤ちゃん自身がすんなり眠れるように習慣づけしてあげるトレーニングです。最近では「ねんトレ」などとも言われていますね。ざっくり言えば、抱っこしながらとか、添い乳しながらでないと眠らない赤ちゃんを、布団の上で一人で眠れるように導くものです。

 

 

今回は、ねんねトレーニングについてよくある質問を、Q&A形式にまとめてみました。

 

Q.ねんねトレーニングはいつ始めたらいいの?

 

A.赤ちゃんの毎日の生活リズムがきちんと整ってくるころが始め時。目安としては、生後5~6カ月以降です。それくらいになると、赤ちゃんの睡眠サイクルが安定してきます。脳や体の各器官の発達が進み、ホルモン分泌も整ってくるのです(ちょうど離乳食の開始もこの頃ですよね)。

 

その時期には、ママやパパも意識的に赤ちゃんの生活リズムを作ってあげることが必要ですね。ねんねトレーニングは、その一環とも言えます。遅くなるほど、別のねんね習慣がついてしまっていて、ママも赤ちゃんも苦労するかもしれません。

 

 

Q.ねんねトレーニング、どうやって始めたらいい?

 

A.就寝や朝寝の時に、起きた状態で布団に置きます。赤ちゃんが寝入ってから布団に置くのではなく、自分で寝つく練習の場を与えることが大事です。

 

ポイントは、眠くなる兆候があったら、早めにお布団に置いてあげること。ぐずって興奮状態になってからでは、一人でねんねは難しくなります。そうなる前にママが察知して、間接照明で静かな環境を整え、「ねんねモード」をつくってあげましょう。

 

泣いたら声かけやトントンをしてみて、落ち着けるかどうか様子を見ます。30秒〜数分で落ち着いてくる気配がなければ、ねんねトレーニングはちょっと先送りして、抱っこなどしてもOKです。

 

 

Q.赤ちゃんが眠くなる兆候ってどんなもの?

 

A.眠くなる兆候は、例えばこんな感じ…

・ふとした時に、一瞬ぼーっと動きが止まっている

・遊びが雑になる、すぐに飽きる

・何かを咬みたがる

・耳を触る

・落ち着きがなくなる

こうした兆候は、その子その子でパターンがあるので、よくよくお子さんを観察していると、分かるようになってきます。

 

 

Q.目の前で泣く赤ちゃんを抱いてあげないなんて、心の成長に影響はないですか?

 

A.最初の数日は、どの赤ちゃんも必ず泣きます。

 

抱っこで寝るのに慣れている赤ちゃんなら、「突然、なんで抱っこしてくれないの?」と思うはず。眠いのに眠れず、長い間のねんね習慣を変えられてしまったことに、抗議して泣いているのです。

 

ママやパパも、「赤ちゃんを不安にさせてしまって、かわいそう」と心配に思うかもしれません。でも、安心してください。ねんねトレーニングに悪影響があるという噂は、科学的に否定されています。

 

詳しくはこちらをどうぞ⇓⇓⇓

「ねんねトレーニングが子どもの脳に与える影響」

 

 

Q.頭では分かっていても、抱っこしてあげないのは辛いです。上手な気持ちのもっていき方を教えてください。

 

抱っこしてあげれば、赤ちゃんも泣きやんで、ママ・パパもその時は安心します。でも、赤ちゃんの心と体の成長には、充分な睡眠がとても重要。正しい睡眠習慣は、その後何十年も、その子の健康のカギを握る財産にもなるでしょう。

 

長い目で見て、「ねんね上手」にしてぐっすり眠らせてあげることの方が、赤ちゃんのためなのだ、と、まずママとママがちゃんと納得しましょう。“抱っこしない勇気”も、全ては赤ちゃんのため。それがママとパパにとってのハッピーですよね。

 

 

A.ねんねトレーニングが上手くいかない、という話を聞きました。どうすればうまく行きますか?

 

一番いけないのは、さんざん粘った後で、ママやパパが根負けして抱っこしてしまうこと。赤ちゃんを混乱させてしまいます。ママやパパが覚悟を決めてから始めないと、ねんねトレーニングはうまく行かないのです。

 

もう少し知りたい方はこちらをご参照ください⇓⇓⇓

「ねんねトレーニングのコツ」

 

ねんねトレーニングを始めてよいのか、我が子に必要かどうか、見極めが難しそうに思えるかもしれません。でも、泣いている理由が「眠いのに眠れないから」だったら、躊躇することはありません。それは、赤ちゃんと半年近く向き合ってきたママなら大体分かるものです。ぜひ自分の判断に自信を持ってくださいね!

 

もっと知りたい方はこちらもどうぞ!

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森田麻里子

Child Health Laboratory 代表

医師、小児睡眠コンサルタント。1987年生まれ、東京都出身。東京大学医学部卒。2012年亀田総合病院にて初期研修。2014年仙台厚生病院麻酔科。2016年南相馬市立総合病院麻酔科。2017年3月に第一子となる男の子を出産。

 

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