-日焼け止めだけでは防げない! 紫外線予防のあの手この手-

2018.07.09

日焼け止めよりも、まず「遮断」。透けにくい黒い素材は、熱を吸収して肌には負担かも!?

 

【まとめ】

☆日焼け止めは2塗らないと意味がない?! 表示通りの効果を得るには、現実的でない厚塗りが必要。

☆日焼け止めのSPF・PA値にこだわるよりも、「覆う」「遮る」方がずっと確実。

☆外出時には、ポリエステルやUV加工の白い服に、黒い日傘で!

 

 

日焼け止め、肌1㎠あたり2mgずつ塗るなんて無理・・・

 

最初に、ちょっとショックな事実を一つ。

 

日焼け止め化粧品(乳液やクリーム、ジェルなど)に表示されている、紫外線予防の効果を示す指標のSPFとPA(くわしくはこちら)。実は、その製品を肌1㎠あたり2mgずつ塗ったときの値です。

 

2mgと聞いてもピンと来ないかもしれませんが、スーパーでお刺身などを買った時に入っているワサビの小袋が2mg前後それを1cm四方の小さな正方形に全部、こってり塗って初めて、書いてある通りの紫外線予防効果を得られるのです。

 

これを実践するには、現実的でないほどの厚塗りになってしまいます(トーストにタップリバターを塗るより、タップリです)。

 

当然ながら、実際にはもっと、うすーく塗って延ばしますよね。

 

しかも、後から汗をかいたりタオルで拭いたりすれば、効果は激減。紫外線防止成分が肌の上でバラバラになったり、落ちたりして、そのすき間から紫外線が肌に当たるためです。

 

というわけで、日焼け止め化粧品を効果的に使うには、

①ムラなく、できるだけたっぷり塗り、

②2~3時間おきに塗り直す

ことが必須です。

 

 

基本は「覆う」「遮る」。その上で日焼け止め化粧品を併用

 

日焼け止め化粧品より、もっと効果的なのが、肌を服や帽子、日傘などで「覆う」もしくは日光を「遮る」ことです。むしろそちらを基本として、その上で、日焼け止め化粧品を併用する、と考えておきましょう。

 

究極の紫外線対策ファッションは、白くて透けない素材の服や帽子に、黒い日傘

 

黒はあらゆる光を吸収するので黒ずくめがよさそうですが、同時に熱も吸収します。熱は体に負担になるのはもちろん、肌へのダメージにもつながります。ですから直接身に着けるものの色は、黒よりも光を反射する白(ただし透けない素材)を選ぶとよいのです。熱を逃がすように、通気を良くするのも大事です。

 

素材で言えば、ポリエステルは紫外線を遮断します。しかし、汗を吸収しにくいという難点も。温度も上がってくるこれからの時期、汗をしっかり吸収できないと、ムレやかぶれの原因になります。ポリエステルと綿との混紡を選ぶとよいでしょう。

 

UVカット加工の布製品も活用しましょう。綿などの天然繊維の生地では、表面に紫外線を吸収・乱反射させる物質で加工が施されています。そのため、摩擦や洗濯などによって効果が低下する可能性もあります。一方、化学繊維だと、吸収剤を高濃度に練り込んであり、長く使っても効果の低下しくい製品が増えています。

 

さらに、油断しがちなのが、室内にいる時。紫外線の80%程度は、窓ガラスを通過して室内に差し込んできます。ですから特に窓際は要注意。

 

UV加工を施したガラスは非常に高価なので、おすすめは、カーテンでの遮光です。窓の方角や季節によって、UV加工の布を使った遮光カーテンやレースカーテンを上手に組み合わせてみましょう。

 

(参考サイト)

日本化粧品工業連合会

●東京都健康安全研究センター「上手に選ぼう 日焼け止め化粧品」

●美馬朋子「繊維製品の染色による紫外線遮蔽効果」成安造形大学

 

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