-【無症状でも唾液PCR検査が受けられます。正確に結果が出る? その意義は? 】-

2020.06.18

ナビタスクリニックで実施している、唾液を用いた新型コロナウイルスPCR検査についてまとめました。

 

 

【まとめ】

 

☆ナビタスクリニック立川で新型コロナウイルスの唾液PCR検査を行っています。無症状でも受けられます。

 

☆保健所などの鼻咽頭ぬぐい検査と何が違う?無症状で検査しても正しい結果が出る?

 

☆社会活動再開や国際間移動に求められ始めたPCR検査(陰性)。第2波への備えとしても唾液検査の普及を。

 

 

 

ナビタスクリニックでは、無症状でも新型コロナ「唾液PCR検査」を受けられます。

 

 

ナビタスクリニック立川では現在、ご希望の方に、唾液(だえき)を使った新型コロナウイルスのPCR検査を行っています(新宿院・川崎院でも準備が整い次第、開始の予定です)。

 

 

唾液による新型コロナPCR検査は、保健所等で行われている従来の鼻咽頭ぬぐい液を使った検査と同等の効果が得られることが、厚労省研究班の臨床検査で明らかになっています(後述)。一方で、身体への負担はほぼありません無症状の方でも、費用自己負担でお受けになれます

 

 

(Shutterstock/Sarah Weldon)

 

 

ナビタスクリニック立川での唾液による新型コロナウイルスPCR検査の概要は以下の通りです(2020年6月11日現在)。

 

 

●検査には事前の電話予約が必要です。 ☞ 042-521-5334

 

●検査日と、結果受け取り日(検査後3~4日)、2回分の日時予約をお取りください。

 

●唾液の採取は、1~2mL程度を患者さんに容器に入れていただきます。

 

●全体の所用時間は各日30分程度です。診療状況によりお待ちいただくことがあります。

 

●費用 1回22,000円(手数料込)

 

●結果は検査会社からの紙面と共にお伝えします。所定用紙等への記入が必要な場合は、予約の際にご相談ください。

 

 

保健所等で従来行われてきた鼻咽頭ぬぐい液によるPCR検査と比較して、以下の図にあるようなメリットが一般に言われています。

 

 

鼻咽頭ぬぐい(綿棒)方式と唾液方式の比較 (TBS「ひるおび」2020年5月12日放送、北海道大学・豊嶋崇徳教授による)

 

 

なお、採取した唾液(検体)に食べ物の残りかす等が混入すると、検査結果が正しく出ず、感染のない方でも陽性反応が出てしまう恐れがあります。そのため、以下ご注意ください。

 

 

食事と歯磨きは、検査2時間前までにお済ませください。

 

飲み物は検査の1時間前まで、水もしくはお茶のみとしてください。

 

 

また、感染している人でも、検体にウイルスが含まれていなければ、誤った陰性反応=偽陰性となる可能性はあります。その他、ご不明な点は医師にお尋ねください。

 

 

無症状でも正しい結果は出る? 鼻咽頭ぬぐい液と陽性日数の差はどこから?

 

 

唾液による新型コロナウイルスのPCR検査は、6月2日に厚生労働省により承認されました。承認にあたっては、唾液検査キット3種類※について厚労省研究班が臨床研究を実施したことが公表されています。保健所等で行われている鼻咽頭ぬぐい液による検査と比較したところ、発症から9日以内ではほぼ結果が一致。この結果を受けて、厚労省は発症9日以内の唾液PCR検査に限り保険適用としました。

 

※島津製作所「2019新型コロナウイルス検出試薬キット」、タカラバイオ「SARS-CoV-2 Direct Detection RT-qPCR Kit」、東洋紡「SARS-CoV-2 Detection Kit」

 

 

厚生労働省

 

 

一方、ナビタスクリニックの唾液PCR検査は自由診療(自己負担)となりますが、症状の有無を問いません。「発症から9日の“しばり”を外しても、正しい結果が得られるの?」と思われるでしょうか。これについては、全く問題ないと考えられます。

 

 

唾液PCR検査では、鼻咽頭ぬぐい液による検査と検査手法の違いは検体採取の方法のみで、その後の分析手順は変わりません。下図の通り、新型コロナウイルスは唾液中にも多く含まれると考えられます。

 

 

唾液中に新型コロナウイルスが多く含まれる仕組み (TBS「ひるおび」2020年5月12日放送、北海道大学・豊嶋崇徳教授による)

 

 

鼻咽頭ぬぐい液よりも唾液中の方が早く(9日目以降)陽性数が減少したのは、分泌後の状態に違いがあるためかもしれません。

 

 

鼻咽頭ぬぐい液で採取する、鼻の奥にたまった鼻水等には、既に感染性を失ったウイルスが長く含まれ続けることも。死滅したウイルスであっても、PCR検査では陽性反応を示すことがあるのです。

 

 

その点、唾液は絶えず新しいものが分泌され、口の中に長期間とどまることはありません。唾液でPCR陽性が出た場合、排出されてすぐのウイルスを含むと考えることができます。体内から生きたウイルスがいなくなれば速やかに、唾液からもウイルスがいなくなるはずです。

 

(Shutterstock/Lilanakani)

 

 

であれば、鼻咽頭ぬぐい液よりも唾液検体の方が、感染性を正しく反映できる可能性もあります。

 

 

社会活動再開に求められ始めたPCR検査。「必ず来る」第2波に備え、唾液検査に期待!

 

 

そもそ新型コロナウイルスの感染性は、発症直前~発症時が最も強いことが分かってきています。発症2.3日前から感染性を有し、発症0.7日前がピークという中国の研究結果も。周囲への感染の心配がないかの確認や、早期発見の目的では、無症状で検査をすることに大きな意味があるのです。

 

 

特に、先日お伝えしたように、国際間ビジネスの再開にあたってPCR検査が要求されることが、今後増えていくと見られます(偽陰性がある以上、「陰性証明」は本来、困難ですが)。

 

 

 

 

また、PCR検査の普及は、国内での第2波をできるだけ小さく抑えるためにも急務です。

 

 

現在、多くの国で感染の落ち着きが伝えられ、経済活動が戻りつつある一方、WHOは、新型コロナウイルスの流行は世界全体では今も「悪化中」としています。米国やブラジルなどアメリカ大陸、さらにインドや中東でも感染者は増加傾向です。

 

 

その中で国際間移動が再開されれば、水際作戦を突破して、様々な経路でウイルスが持ち込まれるでしょう。第2波の被害が第1波より大きくなりがちなことは、大正時代にパンデミックを引き起こしたスペイン風邪などでも経験済みです。

 

 

久住医師も、テレビ朝日「中居正広のニュースな会」(6月6日放送)で、「第2波は必ず来ると言ってよいと思います。それをいかに小さく抑えるかがポイント」と話し、そのために検査体制を拡充することを強調しました。

 

 

(テレビ朝日「中居正広のニュースな会」2020年6月6日)

 

 

例えば、1日に1万人以上が新たに感染している米国も、第2波に強い警戒を示し、PCR検査体制を強化しています。「ロサンゼルスでは、ドジャースタジアム内の駐車場に大型検査場を設置して、そこだけでも1日に6000人の検査が可能となっています」(久住医師)

 

 

 

(テレビ朝日「中居正広のニュースな会」2020年6月6日)

 

 

国内でも、「北九州モデル」が注目されています。北九州市では、5月23~31日までに97人のPCR陽性者が確認され、すでに第2波到来とも言われています。それに対して市は、いち早くPCR検査の徹底によって早期発見、治療する独自の作戦をとり、拡大の抑え込みを図りました。

 

 

それが功を奏し、期間後半には市の狙い通り、感染経路不明者の割合は半減。全ての濃厚接触者をPCR検査し、感染者を早期発見した結果として、上記97人のうち5割超の52人は無症状感染者だったと報じられました。

 

 

経済活動の“手形”としても求められ始めたPCR検査。検査体制の拡充に向け、鼻咽頭ぬぐい液PCR検査よりも制約の少ない唾液PCR検査が、強力なツールになることは間違いありません。今後ますます注目が高まりそうですね。

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