-【TBSひるおび!🌹 感染者減少も「奇妙な成功」?新型コロナは政治材料?!濱木医師が解説!】-

2020.05.20

活動自粛の成果が表れているように見える新型コロナウイルス対策。それなのにスッキリしないのはなぜでしょうか?(2020/05/18放送)

 

 

【まとめ】

 

☆国内の新規感染者数30人未満が続き、自粛が一定の効果を見せている新型コロナウイルス感染症。しかし問題は・・・。

                                                                                                           

☆日本が海外から「奇妙な成功」と論評される一方で、ワクチン開発に凌ぎを削る米中。新型コロナが政治材料にされる懸念も。

 

☆厚労省が示す「新しい生活様式」。ただしこれから梅雨や夏を迎えるにあたって、災害や熱中症なども気がかりです。

 

 

東京も1ケタ台、順調に感染者数は減少中に見えるのに、慎重にならざるを得ないのはなぜ?

 

 

4月7日に緊急事態宣言が出されて以降、順調に感染者数が減少している新型コロナウイルス感染症。東京都ではこの1週間で3回、感染者数が1桁台の日がありました。

 

 

 

 

「数が減っていること自体は、皆さんが協力してくださって外出を控えていただいたおかげだと思います。これからも油断せず、今後増えていくかどうか数字を見ながら注意深く対応していく必要があります」

 

 

特に、今の数字はおよそ2週間前の感染の有無を反映したもの。ちょうどゴールデンウイークの終わり頃で、その直前まで人々がほとんど動いていなかったために、これだけの数字が達成できたものです。

 

 

 

 

何が効果があって現在までに感染者数が減少してきているか、はっきりしていません。今回は全体的に行動制限・自粛を要請して、その結果、数字は下がりました。その中で、行動制限が非常に効果を発揮しているところと、そもそも解除しても大丈夫なところ、見極めがついていないんです。ですから一斉解除ではなく、どこから解除していいのか、どこはまだなのか、まずその見極めが必要です」

 

 

東京都内への通勤者の多い周辺県では、感染者が減っていても、緊急事態宣言の解除に難色を示していたところも。実際、東京都への流入人口は周辺6県で1日あたり282万人にも及びます。

 

 

 

 

「仮に緊急事態宣言が完全に解除されたとしても、あくまで、一時的に状況が落ち着いたように見えているのであって、感染が今後起こらないという意味ではありません。締め付けているものをある程度緩めるのはいいのですが、以前と同じように行動できるわけではない。警戒の意識は残す必要があります。警戒宣言の解除で、みんながそのことを忘れてしまうのが怖いですね」

 

 

 

 

これまでの39県の緊急事態宣言解除で、ここへ来て全国各地の人出は増加傾向とも。明日5月21日には専門家会議の中間評価が予定されていますが、ここ数日の数字をもとに更なる自粛要請緩和に踏み切ってよいものかどうか・・・。難しい判断が迫られます。

 

 

 

 

 

 

 

 

日本の対策は「奇妙な成功」。ワクチン開発も米中が大幅に先行。新型コロナが政治の材料にされる!?

 

 

ところで、新型コロナウイルス感染症に関する日本の数字、つまり確認されている感染者数、死者数、致死率は、見かけ上さほど悪いものではありません。しかし、海外からは日本のコロナ対策は「奇妙な成功」と論評されています。

 

 

 

 

 

 

「日本は、“頑張っている国”とは言ってもよいと思います。ただ、先の通り何が理由で比較的良い状態が保たれているか、まだはっきりしていないんですね。流行したのがたまたま早い段階で入ってきた中国型の新型コロナウイルスだったから、毒性が低く、重症度が低く済んでいるのではないか、という話もあります。生活習慣が欧米と全く違うのが功を奏したのかもしれない、とも言われます。結果的には良い状態をキープできているんですが、その理由が分からないことは心に留めておいた方がいいと思います」(濱木医師)

 

 

また、ワクチン開発については、中国と米国が先行し、大きく水をあけられた状態です。

 

 

 

 

米中両国に関しては、新型コロナウイルスの起源を巡ってトランプ米大統領が中国を非難するなど、対立も激化しています。そもそも「COVID-19」という病名を付ける際にも、特定地域への風評被害を案じて土地名を盛り込むのを避けた経緯がありますが・・・

 

 

「それは病名を付けるときの共通認識としてして、みんなが持っている考え方です。とはいえ、出所が実際どこだったかは確認する必要はあります。ただ、科学的な立場から解明しなければならない事柄を、政治的な争いの材料に使うのはどうなのか病気に対してどう戦っていくかが、かえってうやむやにされて、おかしな方向にいってしまうのではという懸念があります」

 

 

「この病気に限らず、今後も違うウイルスのパンデミックは起こる可能性があると思います。その時はやはり世界が共通認識の下に力を合わせて解明していく必要があります。ですから、本当に政治材料には使ってほしくないですね」

 

 

 

 

 

 

 

大阪府の独自路線、唯一の気がかりは? 厚労省が勧めるこれからの「新しい生活様式」とは?

 

 

番組では、吉村洋文・大阪府知事もリモート生出演。大阪府は吉村知事の主導で、今回の新型コロナ対策に関し独自路線を貫いてきました。

 

 

 

 

1月には府内初の感染者が大阪市内在住であることや立ち回り先などの個人情報を公表したり、2月のライブハウスでのクラスター感染ではライブハウスの実名公表に踏み切るなど、迅速かつ大胆な対応が話題にもなりました。また、3月に、病床不足を回避するため、感染者の症状に応じて4段階に入院先を分ける入院フォローアップセンター」をいち早く設立したことも、高く評価されています。

 

 

 

 

 

 

ただし、実名公表等については濱木医師も、

 

 

「スピードは速かったと思います。一方で今後に関して言うと、具体的な個人情報をどこまで出していくかは、差別などの問題も起きていますので、気を付ける必要があると思っています」

 

 

と、やや慎重な姿勢も示しました。

 

 

一方、47都道府県で今後の共通認識としていくのは、「新しい生活様式」(厚労省)です。ただ、これからの時期には、そこに様々な心配が重なることを、濱木医師も指摘します。

 

 

 

 

「日本は地震や台風など自然災害の多い国で、それゆえの懸念も出てきます。災害時に避難所が設置されても、そこで感染するのではないかというリスクはあります。もちろん災害が起きないのが一番いいですが、万が一起きた場合に、例えば自宅でも防災は可能か、あるいは避難所生活を余儀なくされた場合にどう衛生面で対応するのか、今から心構えをするとともに準備を進めることが大事です」

 

 

「また、これから梅雨、夏を迎えるにあたっては、感染予防と同時に熱中症に気を付けていただくことも必要です。この時期はまだ暑さにも体が慣れていないので、熱中症をおこしやすいんです。その点を自分でも意識してください」

 

 

 

 

感染予防にと、次亜塩素酸が発生するタブレットなどを首から下げている人もいますが、

 

 

「それについては、広い空間では期待する効果は得られないようです。また、雨が多くなりますが、濡れてしまって溶けた液が自身についてしまう危険もあるので、注意が必要です」

 

 

と、濱木医師はバッサリ。基本はやはり、手洗いを励行し、3密を避け、換気や拭き掃除をこまめに行うこと。梅雨や夏は、熱中症や食中毒にも気をつけていきましょう。

 

 

ナビタスクリニック新宿院長
濱木珠恵

 

 

(画像は、「ひるおび!」2020年5月18日放送より)

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