-この時期にまだカサカサ足? 実はそれも水虫かも!?-

2018.06.26

 

カサカサ型の水虫は、かゆくないので自覚のない人も多いもの。気づかず放っておくと、爪水虫に発展して、もっとやっかいなことになります。

 

【まとめ】

☆カサカサ型や爪水虫はかゆくない。自覚ないまま人にうつしがち。

☆皮膚科で飲み薬をもらったら、根気よく飲み続けましょう。

☆なぜ水虫は「治りにくい」? 実は水虫ではないかも?!

 

 

 

冬には仕方ないとあきらめていた、足の乾燥や‟カサカサかかと“。でも、この時期になってもまだ治らず、ますます皮が厚くなっている人、いませんか? それ、実は水虫かもしれません

 

水虫と言えば、ジュクジュクのイメージがありますが、実は症状の出方は4種類もあって混ざっている人も多い、と前々回(こちら)取り上げました。水虫の原因は「白癬菌」という、ヒトの皮膚を好むカビ(真菌)のグループで、体質や足の状態によって出方が変わるのです。

 

 

かゆくない、ジュクジュクしない、カサカサ足。原因は水虫かも。

 

カサカサ型になりやすいのは、代謝の悪い人冷え性で足先がいつも冷たい人は、要注意です! かゆみなどの症状がないのは、白癬菌に対する免疫反応が鈍いということでもあります。

 

カサカサ型の水虫は、見た目は「ひび」や「あかぎれ」との区別が難しく、足の裏全体が粉をふいたように白っぽい状態になります。

 

かゆみなどの苦痛がないからと、放っておくと、爪水虫に発展しやすいのも注意点。また、家中に白癬菌がばら撒かれるため、裸足が増えるこれからの時期、家族全員にうつしてしまいかねません

 

カサカサ型でも、最初は塗り薬で様子を見ます。皮膚が厚くカチカチになっているため、そのままでは薬も浸透しづらく、効きづらいことが大半。そこで病院では、尿素配合クリームなどと一緒に処方して、角質をやわらかくしてから水虫薬を浸透させる方法が取られます。

 

塗るタイミングとしてお勧めなのが、お風呂上がり。せっけんを使って患部をよく洗った後、皮ふがやわらかくなっている間に、患部中心に広めに薬を塗ります。症状が治まったと思っても、1カ月程度の間は治療を続けることが大切です。

 

ただし、1~2カ月様子を見て効果がなければ、飲み薬も処方されます。

ラミシール錠(出典:田辺三菱製薬)

 

この間、足の観桜と清潔を保つことも重要です。ただし、硬く厚くなった皮膚を軽石などで削るのは、実はNG。刺激でかえって皮が厚くなってしまうそうです。

 

 

爪水虫、放っておくとボロボロ爪が崩れ落ちていく!

 

爪水虫は、さらに厄介です。

 

爪の表面は硬いため、普通なら白癬菌が入り込むことはあまりありません。ただ、長時間ブーツを履いていたり、雨で足が濡れてもそのままにしておくと、白癬菌のエサである垢などの汚れが溜まり、菌が増殖します。爪の周りや爪と皮膚の間から菌が入り込んでしまい、感染するのです。

 

なお、既に足の水虫を持っており、それが悪化した結果、爪水虫に発展する人も多いようです。

 

爪は神経がないため、初期には爪の先っぽが白濁するだけで、痛くもかゆくもないまま進行していきます。時に白い筋が入ることも。そしてさらに指側に感染していき、爪の色も白→黄→黒へと変色し、爪の厚みが増し、盛り上がったようになります。この厚くなった爪は、非常に脆く、ポロポロと剥がれ落ちる人も。

 

剥がれ落ちた爪も感染源。家族への感染を引き起こす一因となります。

 

治療は飲み薬で行います。飲み薬は市販薬として流通していません。カサカサ型水虫かな、爪水虫かな、と思ったら、迷わず皮膚科を受診するのが手っ取り早い、ということです。

 

 

なぜ水虫は「治りにくい」のか? 実は水虫じゃないことも?!

 

水虫は治せる一方で、でも、意外と治りにくいと感じている人も多いのではないでしょうか?

 

まず、いったん治ったと思っていたのに、忘れたころに再発、というのを繰り返す人。

 

一番ありがちなのは、外用薬の塗り方が悪く、完全に直せていないパターンです。症状のある部分にしか薬を塗っていないか、あるいは、症状がよくなったらすぐ塗るのをやめてしまったか。白癬菌は症状のない部分にも潜んでいますから、できるだけ広い範囲に薬を塗ることと、症状が消えても最低1カ月は塗り続けることが鉄則です。

 

また、冬になると自然に治るが夏になると出てくる、という人は、そもそも治療を全くしていないのですから当然の現象です。寒い間はいわば冬眠状態の白癬菌が、夏の高温多湿で本領発揮、というわけです。

 

あるいは、いったん治っても、家族が水虫なら、再感染している可能性が高いでしょう。水虫治療は、家族全員でやらないと効果が上がりません。あるいは一人暮らしでも、お風呂マットを年中敷きっぱなし、床掃除もほとんどしない、といった有様では、治療しても再感染は目に見えています。

 

一方、治療しているつもりなのに、治らないどころか悪化している、という人。

 

考えられるのは2つのパターン。1つは、そもそも水虫ではない場合。水虫薬で治らないのは当然ですし、薬剤の副作用でかぶれていることも。もう1つは、水虫には違いないものの、やはりかぶれているのを水虫が悪化したと勘違いしているケースです。その場合、塗る水虫薬はいったんやめて、かぶれの治療をすることが先。飲み薬で水虫退治をします。

 

自分や家族の足や爪、怪しいかも・・・という人は、とにかく皮膚科でちゃんと調べてもらうところから始めましょう!

- Recommend -

2020.07.10

【東南アジア2カ国と入国緩和交渉の進む今、デング熱がシンガポ...

2020.07.06

【皮膚科・福原麻里医師に聞く🌼】女性にも多い水虫、足指だけで...

2020.02.12

東洋経済オンライン 久住医師寄稿 新型肺炎記事まとめ(2)...

2020.02.12

東洋経済オンライン 久住医師寄稿 新型肺炎記事まとめ(1)...