この時期の高温多湿を好んで増えるカビは、気持ちが悪いだけでなく、健康も害します。
【まとめ】
☆カビの胞子などがアレルゲンとなったり、肺炎をひき起こしたりします。
☆高温多湿で大量発生。目に見えるようになってからでは除去しきれないかも!
☆風通しと清潔が重要! 汚れを栄養源にカビは発生します。
咳が止まらない? カビによるアレルギーや肺炎かも!?
梅雨のこの時期、食中毒細菌と同じくらい元気になるのが、カビです。カビだらけの環境は気分的によくないだけでなく、実際に健康被害をもたらします。
【アレルギー】
●カビの胞子やその代謝物がアレルゲンとなり、空中を漂ううちに鼻から吸い込んだり、食べ物について口に入ったりして、アレルギー症状を引き起こす。
●アトピー性皮膚炎やじんましん、喘息、鼻炎、結膜炎など、症状の出方も様々。
【夏型過敏性肺炎】
●トリコスポロンというカビの胞子を繰り返し吸いこむことでアレルギー反応が起こり、肺炎を起こす。
●咳と微熱が続き、やがて高熱が出る。毎年夏に発症して涼しくなる頃に治まる。
●風呂場のタイルの目地、排水溝のふたの裏などに発生。低温でも死なない。古い日本家屋等はとくに要注意!
【アスペルギルス症】
●カビ性肺炎とも言い、味噌、醤油、酒などの発酵にも使われるコウジカビが原因。
●喘息発作や発熱などがあり、茶褐色の斑点やかたまりが混じった痰が出ることも。肺に入ると、治療困難な肺アスペルギルス症になることも。過去に肺の病気を発症している人は特に危険。重い病気で抵抗力が落ちている人、ステロイド剤を服用している人も注意が必要。
●食品、畳、カーペット、衣料品、通気孔などに潜んでいる。
見えるようになってからでは手遅れのことも。風通しと清潔を心がけて。
カビの発生を予防するためにも、カビのことを知っておいた方がよいですよね。
カビの発生する条件は、温度20~35℃・湿度60%以上で、栄養源となる汚れ等があるところ。湿度75~100%だとさらに増殖します。
一方、湿度が55%以下、もしくは温度36℃以上か10℃以下になると、発生は鈍ります。なお、室内の平均湿度が60%でも、空気がよどんでいると、壁の四隅の湿度は100%近くなることもあるので要注意です!
発生したカビが目に見えるようになるのは、数日~数週間かけて大量に増え、菌糸を深く伸ばしてからです。ところが、ここまで来てしまうと完全には除去しにくいもの。目に見えない段階での対処が重要なのです。
カビの発生を抑える3大ポイントは、
☆空気の流れをつくる
☆湿気の発生元を断つ
☆清潔にする
汚れがカビの栄養源。こまめな掃除と風通しをよくすることが大切です。加えて、結露を防ぐための室温コントロールができればなおよいです。
【除湿】
●エアコンなどの除湿機能を活用。
●扇風機などを使って風の流れをつくり、結露を防ぐ。
【換気】
●窓を開けることも重要。窓は2ヶ所以上、対角線上に開けると、風の道ができて効率よく換気できる。
●空気の出口となる窓を全開に、入り口となる場所を15cm程度開けるとよく空気が通る。
●換気扇を使う時も、遠いところの窓を15cm程度開ける。mらう換気は晴天の日の湿度の低い時間帯(春から夏は12時~16時、秋から冬は12時から14時)に行う。
場所別お掃除・お手入れのポイントをご紹介します!
以下、徹底して対策を行おうとするとかなり大変ですが、念頭に入れながら少しずつ、こまめに取り入れていけたらいいですね!
【エアコン】
●フィルターを最低月1回以上は掃除する。
●エアコンの運転開始時はカビの胞子が飛びやすいため、最初の30分は窓を開けて送風運転。
●終了時も、エアコンの中を乾燥させるために、スイッチを切る前に1時間は送風運転するとよい。
【タンス・棚の設置】
棚、特にタンスの裏はカビの温床になりがち。最低5cmは壁から離して置く。
【押入れ・クローゼット】
●木でできた“すのこ”を下に敷き、床や壁と収納物にすき間をあける。
●週に2~3回、押し入れ用の除湿機や布団乾燥機の風を送り込んで乾燥させるとベスト。
●中の布団等もきちんと日に当てて干すことが大事。
【浴室】
●入浴後、水滴に含まれるアカや石鹸カスがカビの栄養分となるので、シャワー等でよく洗い流す。
●その後すぐに換気扇を回し、最低2~3時間、できれば乾くまでつけておく。
●室内を乾燥したタオルでよくふき取るとベスト。
●浴槽にお湯が入っている間は、蓋をこまめに閉める。
【台所】
●使用時は必ず換気扇をつける。
●調理以外に、食器などを水洗いをする時も換気扇を使用したほうがよい。
●使用後は、壁面についた食べ物のカスや水滴をふき取る。