-【濱木医師監修】たまごクラブ2018年7月号掲載。 「妊娠中の”貧血” 解消しないと危険です!」-

2018.06.18

ナビタスクリニック新宿で日々、多くの貧血女性の診療にあたる濱木珠恵院長が監修しました。

 

【まとめ】

☆大人の女性が摂りたい鉄分は、1日当たり10.5㎎
⇒実際には、平均6.5㎎しか摂れていません!

 

☆貧血は、酸素を運ぶヘモグロビンが少ない状態。
⇒おなかの赤ちゃんや産後の回復にも影響するかも!

 

☆鉄分を多く含む食材を摂り、必要なら鉄剤も。
⇒吸収を妨げる食品添加物「リン酸塩」に注意!

 

『たまごクラブ』最新号(2018年7月号)についてはこちら

 

 

日本女性は、慢性的に鉄分不足=貧血傾向に。貧血は酸欠と同じ。

 

厚生労働省が推奨する大人の女性(月経あり)の1日あたり鉄分摂取量は、10.5㎎。しかし、実際には平均6.5㎎しか取れていません。月経などで出て行く鉄に対し、摂取が足りず、鉄の収支がマイナスの状態が貧血。摂取が十分でない日本女性は、そもそも貧血予備軍が多いのです。

 

では、貧血って何でしょうか?

 

鉄分は、赤血球を構成するヘモグロビンの主成分。酸素と結びつくことで、全身に酸素を届ける役割を果たしています。つまり、鉄が不足すると、酸素を充分に運べなくなる、ということ。貧血は酸欠と同じなのです。

 

妊娠すると血液量が1.5倍に増えますが、赤血球よりも液体成分が増え、血液が薄まったような状態になります。しかも、鉄分は優先的に赤ちゃんに与えられるため、お母さんは妊娠前より貧血になりやすいのです。

 

妊娠中に貧血がひどければ、発育不全や早産などお腹の赤ちゃんに影響が出ることもあります。出産時の微弱陣痛や、産後の体力回復に遅れが生じることも。

 

 

鉄分を多く含む肉や魚を多く摂り、リン酸塩に要注意!

 

妊婦さんは、健診時の血液検査で貧血をチェックし、必要であれば鉄剤が処方されます。

 

ただ、鉄剤は体に合わずに気分が悪くなってしまう人もいたりします。やはり妊婦さんも、妊娠を希望する人にとっても、食事からの鉄分摂取が大事です。

 

肉や魚の、特に赤身に多く含まれる「ヘム鉄」は、体に吸収されやすいのでお勧めです。ただし、偏った食べ方や、食べ過ぎには要注意。レバーの摂り過ぎはビタミンA過剰で胎児の器官形成に影響が出ることも。マグロにも水銀が含まれるので、毎日食べるのはやめておきましょう。

 

小松菜、ホウレンソウ、海苔や納豆、など、鉄分を多く含む野菜類もあります。ただし、その場合は「非ヘム鉄」と言って、体に吸収されにくい形をしています。ビタミンCを一緒に摂ると、吸収率がアップするので、バランスの良い献立を心がけてください。なお、ひじきにはヒ素が含まれるため、こちらも毎日食べるのは控えましょう。

 

さらに、加工食品は手軽ですが、食品添加物に十分注意してください。特に「リン酸塩」は、鉄分吸収を妨げ、胎盤などの血管を石灰化させてしまう可能性があります。購入時に、ラベルを見て原材料チェックを習慣にしたいですね。

 

以上、ざっとご紹介しましたが、詳しく知りたい方は、最新号の『たまごクラブ』をどうぞ。

 

今後、【院長ブログ】でも、濱木珠恵院長(ナビタスクリニック新宿)の貧血シリーズを掲載予定です。ご期待ください!

- Recommend -

2020.07.19

【濱木医師が解説🌹】夏バテ? 熱中症? いいえ、夏のダルさは...

2019.11.19

【ドクター・ナビタス】 file06-2:山本佳奈医師(内科...

2019.11.13

【濱木医師解説】貧血じゃないのに貧血症状? それ、「かくれ貧...

2019.11.06

子供の身長には「背が伸びるサプリ」より、適切な食事・睡眠・運...