次々にもらってくる感染症。まさに未知との遭遇です・・・
【川崎・院長 河野一樹】
☆新入園のお子さんは、年に約10回は病欠を覚悟して。
☆感染症の季節感が薄れてきて、年中かかるかもしれません。
☆予防には、適切な食事と睡眠で免疫力を高めるのが一番!
こんにちは。ナビタスクリニック川崎の河野一樹です。ご覧の通り、ナビタスのブログが始まりました。そこで、立川院の細田和孝院長、同じく新宿院の濱木珠恵院長、そして私の3人から、皆さんにきっと役立てていただける医療・健康情報を随時発信していきたいと思います。
さっそく私から、一学期中の子供さんたちの気になる健康トピックを、2回に分けてご紹介します。
新入園生は、年に10回病欠も
この時期、もっとも体調を崩しやすいのが、保育園や幼稚園に入園したばかりの子供たちです。すでにその“洗礼”を受けているお子さんたちもいることでしょう。
「慣らし保育が終わったと思ったら、すぐに風邪。そのままゴールデンウィークで、ようやく通い出したと思ったら、今度は胃腸炎。なんだか結局、家にばかりいる感じ」――そんなお母さんたちの悲鳴が、あちこちから聞かれます。
これから1年間は、ちょっと覚悟が必要かもしれません。私の印象では、年に10回は、風邪その他の病気で園を休んだり、受診したりするお子さんが多いようです。
未知のウイルスと次々に遭遇
この春までご家庭の中で多くの時間を過ごしてきた新入園の乳児さんや幼児さんは、接してきた病原菌の数も種類も、ごくごく限られています。特に上に兄弟がいない第一子の場合、家族は皆大人ですから、子供のかかりやすい(大人はかかりにくい)病気を外から持ち込むことはめったにありません。
それが、保育園や幼稚園に通い始めた途端、多くのお友達と密接に関わることになります。まさに未知との遭遇。これまで出会ったことのない様々な細菌やウイルスに、四六時中さらされます。
園生活で多くの「はじめて」を経験する中で、たいてい「はじめての風邪」(特に乳児さん)を筆頭に、矢継ぎ早にありとあらゆる病気をもらってくるのです。
季節性減り、年間を通して流行
これまでの時期をなんとかやり過ごしたお子さんでも、安心はできません。これからの梅雨の時期は急に寒くなって風邪をひきやすく、そのまま夏風邪の流行につながることも。秋になると感染症は少し落ち着きますが、喘息のお子さんは発作が起きやすくなります。そして冬はインフルエンザや、胃腸炎を引き起こすノロウイルスなどが猛威を振るいます(ロタウイルス対策には、予防接種をお勧めしています)。
しかもこのところ、夏でもインフルエンザや胃腸炎の患者さんが増えたりと、かつてに比べて季節差がなくなっているのを実感しています。1年を通して、気の休まることがないかもしれません。
何とか予防できないの? と思いますよね。
予防の基本はワクチン、
あとは十分な食事と睡眠
何とか予防できないの? と思いますよね。
まず、打てるワクチンは必ず打つこと、です。たしかに自費の場合は、1回1万円を超えるものもあり、大きな負担となります。しかし、かかってしまった場合のお子さんの苦痛や、親御さんの大変さを考えてみてください。看病を他に頼める人がいないために、仕事を長く休まねばならないお母さんもいることでしょう。しかも、それが1回や2回ではないのです。
⇒ワクチンの接種スケジュールを、ぜひこちらで確認してください!
それ以外に画期的な方法は、残念ながらありません。対策があるとすれば、よく食べ、よく寝ること。地道に体の免疫力を高めるのが、実はかなり効果的なのです。
というのも、感染症の予防は、①病原菌を体に入れないか、②入ってしまった病原菌を撃退するか、しかありません。
ただ、①を徹底するのはかなり難しいもの。もちろん手洗い・うがいは基本です。でも、子供はたえず口や鼻に手を持っていきがちです。子供同士が密着しないように距離を取らせる、なんていうのも無理ですよね。むしろ手洗い・うがいは、大人が病気を家に持ち込まないためにも重要だったりします。
ですから、②食事と睡眠をしっかりとって体力をつけ、免疫力を高めて、侵入者を迎え撃つのが正解、というわけです。
次回は、「これって受診すべき?」と判断に迷う、子供の症状について取り上げます。
ナビタスクリニック川崎 院長 河野 一樹