-【久住医師がYoutubeで解説】2019年インフルエンザワクチンはどう打つべきか?-

2019.10.08

 久住理事長がインフルワクチンの接種方針やよくある質問について、自撮り動画で分かりやすくお話しします。

 

 

【まとめ】

 

☆インフルエンザワクチンに関する素朴なギモンについて、久住医師がyoutube動画で解説!

 

☆ナビタスクリニックのインフルワクチン接種は、お子さんも1回接種のACIP方式です。

 

☆ワクチンに水銀、大丈夫? 接種は遅めに受けた方がよい? 久住医師がズバリお答えします。

 

 

 

インフルエンザが例年より2カ月も早く流行し始めました。ナビタスクリニックでも、予防接種を開始しています(こちら)。今回、接種方針やよくあるご質問について、理事長の久住英二医師が動画を自撮りしてyoutubeにアップしましたので、こちらでもご紹介します。

 

 

◎Youtube動画⇒こちらをクリックして再生!

 

 

 

 

ナビタスクリニックは、お子さんでも基本1回接種の米国ACIP方式です。

 

 

インフルエンザにかかるのは、子供が多いです。シーズンによっては、患者の7割程度を1~14歳が占めることもあります。学校や保育園・幼稚園など、集団生活をしていることが原因と考えられます。

 

 

 

 

ですから本当は学校や園でワクチンの集団接種を実施してくれれば、親御さんも助かりますし、感染リスクを大幅に減らせると思います。

 

 

重症化しやすいのは、70歳以上の高齢者と、1~4歳の乳幼児です。インフルエンザワクチンは、65歳以上は公費助成がありますが、一方で乳幼児にはありません。これはちょっと不公平ですね。子供にも接種費用の公費助成があってしかるべきです。

 

 

 

 

大人でもインフルエンザワクチン接種を受けるべき人はいます。

 

 

 

 

ナビタスクリニックでは、インフルエンザワクチンに関しては、お子さんも基本は1回接種としています。米国のACIP(予防接種実務に関する諮問委員会)のガイドラインにのっとっています。9歳以上は無条件に1回接種です。生後6カ月~8歳の場合は、過去に2回以上接種を受けているか、インフルエンザにかかったことがある場合は、1回接種でよいとされています。

 

 

日本(厚労省)では13歳までは2回接種が推奨されていますが、実際には2回も打つのは困難と感じられている親御さんも多いのではないでしょうか。2回目を受ける頃には流行期に入っていて希望者が殺到して受けるのが困難だったり、お子さんは風邪などを引きやすく体調的に受けられなかったりするようです。

 

 

ACIPが効果に問題がないとしている以上、1回接種のほうが費用的にもリーズナブルで済みますので、当院では1回接種を採用しています。

 

 

 

 

今年もワクチンを打ちましょう。水銀の話を聞いて心配? 杞憂です。

 

 

「今年のワクチンはどの型に対応しているんですか?」と効かれますが、毎年基本は4種類の型に対応する成分が入っています。Aソ連型、A香港型と、B型2種類です。これはどのメーカーのワクチンでも一緒です。※

 

※ただし、今年のワクチンは、同じA型でも昨年とは微妙に異なる型に対応していますので、昨年接種を受けた方も今年も接種されることをお勧めします。詳しくはナビタスクリニック新宿院長・濱木珠恵医師のJBpress寄稿「ラグビーも影響か、インフルエンザが既に大流行」もご覧ください。

 

 

混合物のことでよく聞かれるのが、チメロサールという水銀成分です。これは防腐剤として入っています。ワクチンが腐らないようにするために入っているのですが、この成分が心配で子供にワクチンを受けさせたくない、という相談がたまにあります。

 

 

結論から言えば、含まれる水銀は、まったく気にならないほど微々たる量です。1回分のワクチン0.5ccには、約4㎍(マイクログラム:100万分の1グラム)の水銀が含まれます。この数字は、私たちが普段口にしているマグロ1食分に含まれる水銀よりも、ずっと少ないのです。最も含有量が少ないと言われるサンマでも、1匹あたり5~8㎍は含まれるとされます。

 

 

 

 

ワクチンに入っていると聞くと心配しがちですが、私たちは普段知らないうちに微量の水銀を摂取しています。それでもまったく健康には問題なく生活できていますね。そこを冷静にご理解いただければ、安心してワクチン接種を受けていただけるかと思います。

 

 

効果持続のためには今は接種はまだ早い? いいえ、罹患リスク低下が先決です。

 

 

ワクチンの効果は3カ月程度と効いたので、まだ打つのは早いでしょうか?」という質問もよくいただきます。ワクチン接種を受けた方と未接種の方で、インフルエンザにかかる率の推移を比べた海外のデータがあります。

 

 

 

 

それを見ると、大体5月頃にはワクチンの効果は切れているようです。ただ、受けて日の浅い12月頃にはだいぶ罹患率が違いますので、多くの方が早めに受けることで、大流行を防ぎ、リスクを下げることができます。一方、効果のピークを後ろにもっていきたいからと打ち控えをしていると、流行の規模が大きくなり、かかってしまうリスクも高くなります。

 

 

ですから10~11月には、まずは接種を受けることをお勧めします。受験シーズンの2~3月にどうしても効果を最大にしておきたい、という方は、もう1回接種を受けられてはいかがでしょうか。ただしワクチンは1月末に余った分を返品してしまう医療機関が多いので、2月に受けたい場合にはあらかじめ、接種を受ける医療機関に申し込んでおくとよいでしょう。

 

 

さて、せっかく予防接種に医療機関を訪れるのですから、インフルエンザワクチンだけではもったいないですね。今、はしか(麻しん)が流行っています。風疹もコントロールされていません。はしかと風しんの混合ワクチン(MRワクチン、生ワクチンです)も同時接種が可能です。また、特に50歳以上の方は水ぼうそう(水痘)の予防接種を受けると、帯状疱疹※を防ぐことができます。

 

※身体の左右片方に、ピリピリ刺すような痛みと赤い斑点、小さな水ぶくれが、帯状に出る病気。水痘ウイルスによって引き起こされる。

 

 

    

 

ぜひ同時に受けられることをご検討ください正しく知って、正しく予防して、ぜひ冬を健やかにお過ごしくださいね。

 

 

久住英二(くすみ・えいじ)

ナビタスクリニック立川・川崎・新宿理事長。内科医、血液内科医、旅行医学、予防接種。新潟大学医学部卒業。虎の門病院血液科、東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム部門研究員を経て2008年、JR東日本立川駅にナビタスクリニック立川を開業。好評を博し、川崎駅、新宿駅にも展開。医療の問題点を最前線で感じ、情報発信している。医療ガバナンス学会理事、医療法人社団鉄医会理事長内科医、血液専門医、Certificate in Travel Health、International Society of Travel Medicine。

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