すでに夏並みの紫外線が、肌を老化させています。
【まとめ】
☆油断しがち! 5月から増える紫外線。
☆シミ・深いシワ・皮膚がん、みんな「光老化」から
☆日焼け止めを正しく使おう! SPF・PAって何?
5月は梅雨を前に、つかの間の気持ちいい季節、という感じでしたね。でも、油断していませんでしたか? この時期の心がけが、肌の老化を大きく左右するのです。
犯人は、紫外線。夏になれば多くの人が日焼け対策をするもの。でも、夏になってから始めるのでは遅いのです。
すでに夏並みの紫外線!
紫外線の量は5月から急上昇して、夏と同レベルにまで達します。紫外線対策はどうしても出遅れがちになるので、ある意味この時期は最も紫外線の影響を受けやすくなっています。
紫外線量の年間推移(2017年、気象庁)
とくに気をつけたいのが、うす曇りの日。快晴の日の紫外線量を100%とした場合、うす曇りの日は80~90%。
しかも、雲の間から太陽が出てきた場合は、雲の粒に反射した紫外線が加わるため、快晴の時よりも多い紫外線を浴びることもあります。
くっきりシワやシミは
光老化が一番の原因。
紫外線のダメージによる皮膚の老化を「光老化」と言います。
☑皮膚が厚くなり、しなやかさや弾力を失ってゴワゴワする
☑浅黒くなってシミが増える
☑シワが深くくっきり入る。
これらはみな「歳のせいだから仕方ない」と思っていませんか?
実は加齢だけで、こうした変化は起きません。歳をとって顔や手にシミが出来ていても、洋服に覆われて光にほとんど当たらないお腹やお尻は白いままですし、深いくっきりとしたシワもありません。
お肌の老化を遅らせたいなら、「光老化」対策が重要なのです。
日焼け止め、
「SPF」「PA」って何?
そこでまず思いつくのが、日焼け止め化粧品(サンスクリーン)。クリームや乳液、ジェルタイプなど色々ありますが、気になるのは、製品に表示された「SPF」と「PA」という2つの指標。意味を知って、正しく使いたいですよね。
実は光老化の元凶である紫外線には、以下の2種類あります。SPFはUVB(中波長紫外線)、PAはUVA(長波長紫外線)に対応しているのです。
★UVB(中波長紫外線):
太陽光の紫外線の10%程度だが、エネルギーが強く、皮膚を赤く日焼け(≒やけど)させ、シミや深いシワなど光老化への影響も大きい。日焼けを起こす力は、UVAの600-1000倍。ただし、ガラスを通り抜けられない。
★UVA(長波長紫外線):
太陽光の紫外線の90%を占める。エネルギーは弱いものの、皮膚の奥深くまで入り込む。日々じわじわとシミの元を作り、肌を黒くし、潤いやハリを失わせるなど光老化に加担する。曇りの日でも地表に達して、室内でもガラスを通り抜けてしまう。
SPFは、主にUVBを防ぐ効果として、「その製品を使わない場合と比べて、日焼け(翌日赤くなる)にかかる時間を何倍遅らせられるか」を示しています。例えばSPF30の製品を正しく使うと、夏の炎天下のビーチでは20分で赤くなるところ、30倍の10時間かかる、ということ。50を超えると性能にあまり差がなくなるため、SPF50+と表示されます。
PAは、UVAを防ぐ効果を示しており、「+」1~4つ(多いほど効果が高い)で表示されています。UVAの影響自体が、じわじわと時間をかけた積み重ねで出てくるものなので、PAについてはSPFのような数字で表すことは難しくなっています。
主成分の違いで肌トラブルも。。。使い分けが大事。
また、日焼け止めの主成分は、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤に分けられます。前者は紫外線を薬剤に吸収させて肌を守り、後者は皮膚の表面に膜を作って紫外線をはね返します。
吸収剤は、肌への負担が大きくトラブルを起こしやすいこともあって、日本では散乱剤が一般的。特にベビー用や敏感肌用などは、散乱剤のみのはずです。
一方で、散乱剤は性質上、紫外線防御力に限界があり、SPF50以上の製品では吸収剤も配合されているのが普通です。
こうした肌への負担も考えると、日常生活での日焼け止めはSPF30くらいで十分。その分、こまめに塗り直す方が大事です。
特に散乱剤は、顔を触ったり汗をかいたりといった様々なきっかけで粒子が皮膚からはがれ、効果も失われやすいようです。これからますます汗をかきやすい時期を迎えますから、製品に書かれた回数以上に、もっと頻繁に塗り直すようにしましょう。
ただ、日焼け止め化粧品は、正しく塗ったからと言って紫外線を完全に防ぐわけではありません。思い返していただければ当たり前なのですが、「塗っただけではだめ、塗っても日には焼ける」ということ。それを念頭に置きつつ、さらなる自衛手段を講じる必要がありますね。(つづく)