-ロタウイルス胃腸炎、ぜひ予防接種を!-

2018.06.02

 

5歳以下の胃腸炎入院、40~50%がロタ、という事実。

 

【まとめ】

☆5歳までに、ほぼすべての子供が経験します。

☆春~初夏、水のような下痢や嘔吐を繰り返します。

☆予防接種が有効。生後1~3カ月に1回目を!

 

 

胃腸炎と聞くと、一般的にはノロウイルスを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ノロの場合、流行は主に冬です。ただし近年は、一年を通して発症が確認されるようになっています。

 

ただ、5歳までにほぼすべての子供が経験すると言われるのが、ロタウイルスによる胃腸炎です。

 

初めてだと症状激しく。幼少期に繰り返し感染。

 

流行は主に春~初夏。ただ、こちらも季節性は薄れてきているのも事実です。

 

多くは突然、噴水のように嘔吐します。白く濁った米のとぎ汁のような下痢も特徴的。発熱や腹痛もよく見られます。嘔吐と下痢を繰り返すので、体から水分が多く出て行ってしまい、脱水症状を起こす恐れがあります。ひどければ点滴や入院が必要となることも。

 

5歳までの急性胃腸炎の入院患者のうち、40~50%前後がロタウイルスによるそうです。特に初めて感染したときは症状が激しくなります。ロタウイルスにも複数の型があるので、一度経験しても、乳幼時期にまた何度かかかるのが普通です。

 

これに対して大人は、たいてい症状が出ません。子供の頃にひととおり経験しているので、ウイルスが体内に入っても免疫システムが即座に対応できるからです。

 

特効薬はなし。下痢止めは飲ませない。

 

今のところ、ロタウイルスに対する特効薬はありません。発症してしまったら、水分補給を心がけて脱水を防ぎ、可能な範囲で栄養補給をし、よく眠って体力回復に努めるしかありません。

 

水分や食事は、嘔吐が落ち着いてきてからでも構わないので、少しずつ、焦らずにあげましょう。

 

なお、下痢止め薬は、ウイルスの排出まで止めてしまうことになり、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないほうがよいでしょう。

 

重症の場合、合併症として、けいれん、肝機能異常、急性腎不全、脳症、心筋炎などをひき起こし、死に至る場合もあります。注意深く様子を見守り、意識の低下やけいれん等が見られたら、近くの医療機関を受診してください。

 

処理をした大人の手が感染源に。

 

感染経路は口。

 

患者の便にウイルスが大量に含まれていて、処理をした大人の手から広がることは多いようです。素手で処理をしてしまうと、後で十分に手洗いをしても、手や爪に数億個単位で残ってしまうこともあります。

 

処理の際は次のような点を心がけてください。

 

素手はNG。オムツの交換や汚物処理の際には、まず指輪や時計をはずし、使い捨てのゴム手袋などを使う。

使用後のゴム手袋は中表になるようにはずし、ポリ袋などに入れて捨てる。その後、手を洗う。

☑手洗いにはせっけんを使い、できればお湯で30秒以上もみ洗いする。(素手で処理してしまった場合は、手洗い前に蛇口その他、家の中を直接触らない。)

☑衣類が便や吐物で汚れた時は、熱湯を充分にかけるか、家庭用の塩素系漂白剤でつけおき消毒し、他の衣類と分けて洗濯する。(アルコール消毒はあまり効きません

 

強い感染力。予防接種をお勧めします。

 

これだけのことをしても、ロタウイルスは感染力が強く、わずか10~100個程度が口から入るだけでも発症するので、完全に予防することは困難です。

 

そこで当院でも、予防接種をお勧めしています。対象は乳児です。

 

日本では、2種類のロタウイルスのワクチン(2回接種もしくは3回接種)が承認されていて、自費で接種を受けることができます。どちらのワクチンも1回目の接種は生後6週目~14週6日までが推奨されています。

 

費用は決して安くはありません。でも、子供も辛い思いをせず、大人も大変な思いをせずに済むのです。働いているお母さんも、仕事を休まずに済みます。家の中で処理に追われ、それでも兄弟への感染を防げない、といった心配もなくなります。

 

ナビタスクリニックでも接種を行っています。ぜひご相談ください。

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