-続く風疹流行で、国立感染症研究所が「緊急情報」。クーポン使用率5%報道も。-

2019.09.22

風疹報道が影を潜めていた間にも、じわじわと患者は増え続けていました。クーポンが届いたのに、それっきりになっていませんか?

 

 

【まとめ】

 

☆9月18日、国立感染症研究所が、「風疹急増に関する緊急情報」を出し、呼びかけました。

 

☆クーポンの使用率は6月までにわずか「5%」との報道。一方で、胎児の感染に心を痛めているご家族がいます。

 

☆ご自宅にクーポンが届いていないか、ご確認ください。対象者は、流行の中心である40〜47歳男性です。

 

 

 

 

9月18日、国立感染症研究所が風疹急増に関する緊急情報:2019年9月11日現在を公開しました。

 

 

風疹についてはこのブログで何度かお伝えしていますが、今回改めて、緊急情報の概要を中心に、風疹の予防接種(第5期)についてまとめていきます。

 

 

風疹患者数、今月はさらに増加の傾向。国立感染症研究所が緊急情報を公開。

 

 

風疹の患者数は今年に入って累積2,176人に上ります。しかも9月初旬には、前週に比べて全国で20人患者が増加しました。

 

 

2013年には合計1万4千人を超える大流行となりましたが、その後は減少して2017年には100人未満となっていました。しかし昨年には再び増加して2,496人の患者が報告され、社会問題に。流行は収まらず、今年は9月の時点ですでに昨年の全患者数に届く勢いで患者が増えています。

 

 

国立感染症研究所

 

 

地域別に見ると、今年に入って100人以上の患者が報告されているのが5都府県東京都が今年818 人で、9月11日までの1週間に10 人増加。神奈川県は同じく271 人で6 人増加、千葉県193 人で2 人増加となっています。埼玉県と大阪府は最新報告では増加はありませんでしたが、今年それぞれ189人、126 人となっています。

 

 

症状は、99%に発疹、89%の人に発熱が見られました。58%にリンパ節の腫れ、47%に結膜の充血、25%に咳、24%に関節痛・関節炎、22%に鼻水となっています。その他、重症化すると血小板減少性紫斑病や脳炎、髄膜炎、肺炎なども報告されています。

 

 

難聴や心疾患など、赤ちゃんの受難は大流行の翌年も! 周囲の予防が唯一回避の道。

 

 

風疹がさらに怖いのは、「先天性風疹症候群」です。妊娠20週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染することで、胎児に難聴、心疾患、白内障などの先天性障害を引き起こします。

 

 

 

 

赤ちゃんはお母さんのお腹で10カ月を過ごすので、先天性風疹症候群は、風疹の大流行の翌年になってからも数字に表れ続けます。実際、大流行した2013年に32人、翌2014年にも9人の症例が報告されています。

 

 

そして昨年は9人、今年に入ってからもすでに3人、先天性風疹症候群が報告されています。

 

 

なお、症状の表れない不顕性感染でも胎児が先天性風疹症候群にかかることもあります。妊娠中は風疹ワクチン※の接種は受けられません。受けた後も2カ月間は妊娠を避ける必要があります。

※麻疹・風疹の2混(=MR)もしくは、+おたふくかぜの3混(=MMR)も含む

 

 

先天性風疹症候群を避ける唯一確かな方法は、妊娠を希望されている方やその周囲の人が、あらかじめワクチン接種を受けておくことです。

 

 

 

 

実際、今年報告された風疹患者の95%が成人で、男性が女性の3.7倍となっています。男性では特に30~40代が60%女性では20~30代が64%となっています。男女とも、ちょうど妊娠可能な女性やそのパートナーの年齢に該当しているのです。

 

 

クーポン利用者は3カ月でわずか5%!? 対象者は40~47歳男性。対象外世代も接種のご検討を。

 

 

40代男性を中心とした風疹流行の事態を受け、厚労省は今年4月から順次、1972年4月2日〜1979年4月1日生まれ(現在40~47歳)の全男性に「風疹クーポン券」を配布しました。該当する方の自宅には市町村を通じて、多くは6月くらいまでに順次郵送されてきているはずです。

 

 

40~47歳の男性は、これまでに1度も定期接種として風疹の予防接種を受けたことのない人たちです(同世代の女性は中学生で1回接種を受けています)。実際、若い世代の男性は風疹ウイルスの抗体価が95%程度あるのに対し、その世代は80%ほどしかありません。

 

 

国立感染症研究所

 

 

「風疹クーポン券」を医療機関に持参して受診すると、まずは風疹の抗体検査(採血⇒血液検査)が行われます。風疹に対する免疫が十分にあれば、ワクチン接種は不要です。免疫が不十分なら、再度受診してワクチンを接種します。いずれもクーポンがあれば費用は無料。クーポンは2022年3月まで有効です。

 

 

 

 

ただ、報道によれば、これまでにクーポン券は対象者約646万人に配布されていますが、4~6月にクーポン券を使用した人は約34万人。使用率は3か月間でわずか5%の計算です。(ただ、実質的に全家庭に届いたのは6月くらいのことと思われますので、その後、数字が上がっていることが期待されます)

 

 

来年度は1962年4月2日〜1972年4月1日生まれ(48~57歳)の男性に「風疹クーポン券」が配布される予定とのこと。この世代も、男性に限ってワクチンを受けたことのない世代です。それより上の世代は、自然にかかって強い免疫が形成されている人が多いようです。詳しくは厚労省ホームページ「風しんの追加的対策について」を参照してください。

 

 

国立感染症研究所

 

 

なお、ワクチンによる抗体は、実際に風疹に罹って獲得された免疫よりも、維持しにくいことが分かっています。1回しか接種を受けていない方、接種履歴の不明な方は、今回の定期接種対象となっていなくても、ぜひ自主的にMR・MMRワクチンの接種を受けられることをお勧めします。特に妊娠を計画中の女性が近くにおられるなら、他人ごとではありませんね。

 

 

費用助成をしている自治体も増えています。自治体に確認の上、ナビタスクリニックにご相談ください。

 

 

(トップ画像/shutterstock_1053974540)

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