-さばアレルギー? 魚を食べてじんましん。それ、ヒスタミン食中毒かもしれません。-

2019.09.07

じんましんはアレルギーのせい? 食中毒は細菌やウイルスのせい? そうとは限りません。加熱しても防げません。

 

 

【まとめ】

 

☆サバやカジキなどの赤身魚では、ヒスタミン食中毒が起こりやすい。でもヒスタミンは最初から魚には含まれません。どこから生じる?

 

☆症状はじんましんなど、アレルギーに似ています。でもアレルギーではありません。何が違う?

 

☆加熱してもヒスタミンはなくならず、食中毒は防げません。予防のポイントは保存~調理までの温度管理です。

 

 

 

先日、沖縄県の小中学校で提供された給食で、シイラのフライを食べた生徒たち50人以上が、舌のしびれなどを訴えたことが報じられました。

 

 

保健所によれば、「ヒスタミン食中毒」の可能性があるとのこと。症状は食後1時間ほどで収まったそうです。

 

 

ヒスタミン食中毒とは? 症状が似ているけど、アレルギーとは違うの?

 

 

ある日突然、じんましんが出た。ちょうど塩サバを食べた後だった・・・。あるいは、解凍したカジキマグロをソテーにして食べたら、口の周りが赤く腫れてきた・・・。あるいは、食後に舌がしびれて頭痛がしてきた、じんましんも出てきた・・・。そういえばさっき、イカの一夜干しを食べた・・・。

 

 

 

 

何かを食べてじんましんが出たりすると、「食物アレルギーかな?」と思いがちです。

 

 

しかし、魚やその加工品が原因の場合、アレルギーとは限りません。「ヒスタミン食中毒」の可能性があります。

 

 

ヒスタミンについては、先日の記事「肌のかゆみ、赤み、腫れ・・・これって湿疹? じんましん? どちらも多くは原因不明です」で、かゆみや腫れを引き起こす物質としてご説明しました。

 

 

その際のヒスタミンは、体内で作られるものでした。このヒスタミンを食事から、一度に100㎎以上摂取してしまうと、食中毒を発症するとされています。

 

 

魚介類、特に、マグロやブリ、サンマ、サバ、イワシ等の赤身魚では、口に入る段階でヒスタミンを多く含んでいる場合があり、ヒスタミン食中毒を引き起こすことがあるのです。

 

東京都福祉保健局)

 

 

症状やヒスタミンの関与という点で食物アレルギーと似ていますが、アレルギーであれば、「ある魚を食べたら必ず症状が出る」ことになります。一方、ヒスタミン食中毒は、たまたまその時食べたもの(魚)に大量にヒスタミンが含まれていたために起きた一時的な反応です。アレルギーのように、特定のアレルゲンがスイッチとなって過剰な免疫応答が繰り返されるわけではありません。

 

 

症状と治療は? じんましんは、ゆっくりでも跡形もなく消えます。

 

 

症状としては、食べた直後~1時間以内に、顔(特に口の周りや耳たぶ)が赤くなったり、全身にじんましんが出たりするほか、頭痛や嘔吐、下痢などが起こります。重症だと呼吸困難や意識不明になることもありますが、死に至ることはまずありません。

 

 

塩野義製薬

 

 

治療には、ヒスタミンの働きを抑える「抗ヒスタミン薬」が使われます。じんましんにかゆみを伴う場合は、かゆみ止めの塗り薬も処方されます。ナビタスクリニックは内科と皮膚科を併設していますので、皮膚症状も頭痛もあり原因が明らかでない、といった場合もまずは受診をお勧めします。

 

 

ちなみに、こちらのブログ管理人も、何度かヒスタミン食中毒にやられたことがあります。それこそがまさに冒頭で挙げた、塩サバ、カジキマグロ、そしてイカの一夜干し。

 

 

 

 

じんましんは、最初は虫刺されかと思いました。朝のことです。お昼ごろには体のあちこちがかゆくなり始め、やっぱりダニにでもやられてしまったのかと思いました。しかし、どんどんかゆいところが増えていき、さらうっすら気分が悪いような、動悸がするような、なんとも説明しがたい全身の不調に襲われました。

 

 

鏡を見て首や顔にも赤みが出始めていることに気づき、ようやくじんましんとわかりました。市販の抗アレルギー薬を買って飲んでみました。夜には症状が落ち着いてきたのですが、当時、原因が分かっていなかった自分は、そこでなぜかヒスタミンの元になるヒスチジン(後ほどご説明します)の入ったスポーツドリンクをたくさん飲んでしまったのです。

 

 

そのせいかどうか、再び症状が悪化。じんましんの“島”がつながって、全身がまだら模様に。息苦しいような動悸がするような感覚が強まり、ベッド横になっているのもなぜか苦しく、フローリングに座ってうつらうつらしながら一晩過ごしました。翌朝、受診するとやはり抗ヒスタミン薬の飲み薬とかゆみ止めの塗り薬を処方されました。

 

 

 

 

薬を飲んでも、すぐにじましんが消えたわけではありません。でも、ゆっくりながらもウソのように、跡形もなく消えていきました

 

 

予防法は? 低温保存も長いとキケン、加熱してもダメ、って本当?

 

 

赤身魚で起きることが多いヒスタミン中毒ですが、実は生きている魚の身にヒスタミンが多く含まれているわけではありません。赤身魚に多く含まれているのは、ヒスタミンの元になる「ヒスチジン」と呼ばれるアミノ酸です。

 

 

消費者庁)

 

 

ヒトの体内では、ヒスチジンからヒスタミンが合成されますが、かい水中には、酵素生してヒスチジンをヒスタミンに変える細菌(ヒスタミン産生菌)がいます。魚を獲った時点ですでにヒスタミン酸性菌が魚に付着していることはよくあることです。

 

 

そのため、食卓に上るまでの保存方法に問題があると、食中毒が起きやすくなります。ヒスタミン酸性菌の種類によって、常温で増えやすい菌と、0~10℃の低温状態でも増える菌とがいます。前者では解凍時に常温に長く置いてしまうなど、温度管理が適切でない場合、また後者では保存が長期にわたるだけでも、ヒスタミンが多く作られることに。

 

 

注意すべきは、「でも、十分加熱すれば大丈夫でしょう」といった、間違った思い込み

 

 

 

 

ヒスタミンは、熱によって分解されません(寄生虫の一種「アニサキス」による食中毒なら、加熱によって避けられますが)。ですから、いったん多く出来てしまったら、いくら長時間火を通しても食中毒リスクは下げられません。

 

 

魚などの保存~調理までに以下のようなことがあると、特にリスクが上がります。

 

 

× 冷蔵庫から出して常温に長い時間放置してしまった

× 冷凍の魚を解凍して使わず、また冷凍庫に戻した

× 冷凍だからと油断して数カ月たってしまった

× 冷蔵庫・冷凍庫が故障して一時温度が上がったり溶けかけたりした

 

 

まずは、魚などは品質について信頼できるお店で買うことが大事。(なかなか難しいですが。安さばかりに気を取られないことも大事ですね!)

 

 

また、家庭での保存の過程で上記のような事態が起きてしまった場合、食品自体は見た目もにおいも味も問題なく、傷んでいる(腐敗している)とは感じられないのでもったいない気がしますが、後悔先に立たずで潔く処分するのが賢明です。

 

 

なお、魚やその加工品のほか、ワインやチーズ等の発酵食品にもヒスタミンが多く含まれ、中毒を起こすことがあるようです。

 

 

それらしい症状が現れたら、まずは受診を。じんましんなどの原因を特定するのは難しいのですが、感染症などではないか見極める必要がありますし、症状を放っておくとひどくなることもあります。地道に対症療法をやっていきましょう。

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