-汗がニオうのは汗をかかないから?!ーーニオイケアは逆転の発想が大事です。-

2019.07.25

蒸し暑いこの時期、体のニオイを気にするなら、汗をかいたほうがいい、というウソみたいなニオイケアを解説します。

 

 

【まとめ】

 

 

☆汗には大きく2種類。ニオいやすい汗と、ニオいにくい汗があります。でも、ニオいにくい汗も、体調や状況でニオイが強くなることも。

 

☆問題は汗腺の機能の低下。エアコンなど汗をかかない生活習慣が汗腺を衰えさせ、ニオイやすく体の負担も大きい「悪い汗」の原因に。

 

☆有酸素運動と湯船につかる入浴で、適度に汗をかく習慣を。汗腺の機能を回復させ、ニオイにくい「よい汗」をかきましょう!

 

 

 

 

湿度100%シーズン、体のニオイが気になる! 汗がニオうのはなぜ?

 

 

湿度が100%に達する日も珍しくない今の時期、服の中や頭皮がムレたりして、体のニオイが最も気になる季節でもあります。

 

 

ただ、汗は臭いもの、という認識は正しくありません体から出たばかりの汗は無臭。、ニオイはしないのです。

 

 

 

 

でも「汗臭い」現象が起きるのも事実。何が起きているのでしょうか?

 

 

汗がニオうのは、汗や皮脂、皮膚の汚れをエサに、皮膚に日頃から棲みついている細菌がつくり出した物質のせい。しかも汗には大きく2種類あって、ニオいにくい汗と、ニオいやすい汗があります。汗の出る「汗腺」が違うのです。

 

 

eccrine sweat gland:エクリン汗腺

apocrine sweat gland:アポクリン汗腺

(Shutterstock/Timonina)

 

 

全身の皮膚に分布する「エクリン腺」は、水分を体の外に出す専門の汗腺。もともと汗の99%は水分で、あとはほぼほぼ塩分(ナトリウム)です。もちろんそれ以外にも、カリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄など、ナトリウム以外のミネラルも含みますが、とくにエクリン腺から出る汗は、ミネラルはごくごく微量で、ほぼほぼ水

 

 

水と微量のミネラルだけであれば、細菌のエサとしては不十分。そのため、汗がニオいにくいのです。

 

 

一方、脇や陰部、乳輪、外耳道など、限られた部分にあるのが「アポクリン腺」。アポクリン腺は出口が毛穴の中にあります。そのため毛穴の中の皮脂や老廃物まで含んだ汗が分泌されます。

 

 

アポクリン腺から分泌した汗も、もともとは無臭です。しかし、汗に含まれる皮脂や老廃物のたんぱく質を、皮膚の表面の常在細菌がエサとして分解。その結果出来た脂肪酸などの物質がニオイを放つのです。

 

 

汗のニオイは状況で変化する。決め手は汗腺の働きだった!

 

 

汗のニオイの程度は体質によるところも大きく、個人差があります。皮脂や老廃物の内容や量は人によって違うからです。しかも、一人の人でも、体調や環境によってニオイの程度は変わってきます。普段はあまりニオイが気にならない人も、季節の変わり目だったり、疲れていたりすると、ニオイが強くなることも。エクリン腺から出た汗でも、状況によってはニオイの原因になるのです。

 

 

そうした変化の原因の1つが、汗腺の働きの良しあし

 

 

汗は汗腺で、血液から作られます。ただ、血液のミネラルなどの成分がそのまま汗となって流れ出てしまっては、あっという間に体のミネラル等が欠乏してしまいます。そこで汗は皮膚表面に出るまでの途中で、いわば濾過され、体に必要な成分が再吸収されるようになっています。

 

 

アバンダンスプランニング

 

 

この濾過機能がうまく働いていれば、しっかり様々な成分を体に取り戻し、ほぼほぼ水に近いサラサラの汗になります。皮膚表面に出ても蒸発しやすく、体温を速やかに下げる効果も高いので、「よい汗」とされます。

 

 

しかし、急に汗の量が増えたり、汗腺の働きが低下したりすると、濾過機能の限界を超えてしまうことも。様々な成分が多く含まれたままの汗が体の外に出て行くため、疲労や熱中症のリスクも高くなります。また濃度が高く、ねっとりしていて蒸発しにくいため、体温調節の効率も低くなり、さらに体への負担が大きくなります。

 

 

のみならず、アンモニアなど余分な成分も多く含むため、いやなニオイが発生しやすくなるのです。まさに「悪い汗」です。

 

 

エアコン漬けが汗をニオわせていた? 運動とお風呂で汗をかこう!

 

 

ですから、汗のにおいが気になる人もそうでない人も、この時期はデオドラント製品を活用するだけでなく、汗腺の働きを高めることが大事。

 

 

現代人はエアコンが当たり前になり、またニオイやべたつき、不快感を避けたいと、汗をかくこと自体を避ける傾向にあります。しかし、そうした汗をかかない生活習慣が、汗腺の機能をどんどん衰えさせてしまっているのです。

 

 

 

 

衰えた汗腺の機能は、普段から汗をかく習慣をつけることで高められます。

 

 

そのために採り入れたいのが、運動とお風呂です。

 

 

運動をよくしている人の汗は、そうでない人より薄くサラサラしていると言われます。体温を下げやすく、体温調節を助けます。特にウオーキングやジョギングなどの有酸素運動を2~3週間続けると、衰えた汗腺の機能が回復すると言われます。

 

 

 

 

また、お風呂もきちんと湯船につかることが大事。この時期、暑いからとシャワーだけで済ませていませんか? ぬるめでよいので、一定時間じっくりお風呂につかって汗をかきましょう。汗腺機能の回復と同時に、毛穴につまった皮脂や老廃物などもしっかり洗い流され、常在菌のエサを一掃する効果も得られます。

 

 

 

 

ニオイケアには、汗をかくことを避けるだけではダメ、むしろ適度に、習慣的に汗をかくことが大事なんですね。「よい汗」をめざしましょう!

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