-雨が降りそう、そんな時の頭痛は「天気痛」かも。耳マッサージが効果的?-

2019.06.29

天気の悪化と共に片頭痛に悩まされる人がいます。決して仮病でも気のせいでもありません。「天気痛」という気象病なのです。

 

 

【まとめ】

 

☆雨の接近など天候悪化と共に生じる片頭痛は、気象病の一種「天気痛」かもしれません。

 

☆原因は気圧の変化で自律神経のバランスが乱れること。内耳に気圧センサーがあるらしいと分かってきました。

 

☆規則正しい生活、運動、入浴などで血行を改善し、リラックスする時間を持って、自律神経を整えて。耳マッサージや酔い止め薬も?

 

 

 

お天気が悪くなってくると、頭痛がする、関節が痛む・・・それ、「天気痛」です。

 

 

雨が降ったりやんだり、朝晴れていたかと思うと午後急に降り出したり・・・。梅雨真っ只中、不安定空模様ですね。

 

 

(気象庁)

 

 

天候の悪化と共に、頭痛や関節痛など「痛み」に悩まされる、という人はいませんか? 頭痛持ちの人、関節に痛みが出やすい人は、実感されている方が多いのではないでしょうか。その心当たりがなく、風邪をひいたわけでもないのに、何となく頭が重い、体調がすっきりしない、という方もいるかもしれません。

 

 

そうした症状、おそらく「気象病」です。

 

 

気象病とは、天候の変化に伴って出現したり悪化したりする体調不良のこと。近年、決して気のせいや気の持ちようの問題ではなく、因果関係が科学的にも認められてきました。頭痛や関節痛などの痛みと、うつは、立証されています。めまい、耳鳴り、気管支ぜんそくなどはまだ解明途中ですが、症状を訴える人は少なくありません。

 

 

特に天気と「痛み」との関係は、研究が進んでいて「天気痛」と呼ばれます。最も多いのが、頭痛。その他に、首の痛み、関節痛、神経痛、古傷の痛みなどが挙げられます。

 

 

 

 

原因は“気圧の変化”。気のせいではありません。乗り物酔いしやすい人はハイリスク?

 

 

実は昨年も、このブログで「気象病」について解説しましたこちら)。そこでも書いたように、気象病の主な原因は「気圧の急激な変化」

 

 

特に天気痛では、気圧や気温が上がったり下がったり変動する際に、交感神経を刺激して過剰に働かせ、その結果痛みを感じやすくなります。関節痛などの慢性疾患では、普段から自覚がなくても交感神経がわずかに刺激されていたり、高ぶりやすくなっていたりするもの。それが気圧変化で表に出てくると見られます。

 

 

実験では、「内耳」に気圧センサーがあり、片頭痛の発症に関わっているのではと示唆されています。

 

 

 

 

内耳は鼓膜の奥にある、平衡感覚などを司る器官で、かたつむりのような形をしています。天気痛患者では、気圧変化によって左右の内耳や脳内の血流に差が生じ、片頭痛が現れました。内耳で気圧の変化を感じ、その情報が脳へと入り、自律神経系を活性化させたと考えられます。

 

 

内耳との関係でよく知られているのは、乗り物酔いです。内耳からの情報と目など他の器官からの情報にズレが起きて、脳が混乱し、自律神経を刺激した結果、乗り物酔いが起こります。内耳センサーが過敏と考えられるため、乗り物酔いを起こしやすい人は天気痛(片頭痛)も起こしやすい可能性があります。

 

 

なお、気圧の変化は、健康な人も影響を受けていますが、自律神経の調節がうまくいっているので、体に症状を感じることなくやり過ごせているのです。

 

 

規則正しい生活の上で、耳のマッサージや酔い止めを。頭痛リスクが分かるサイトやアプリも。

 

 

天気痛の予防には、第一に自律神経系のバランスを整えることです。そのためには、睡眠を十分とり、運動と規則正しい生活を心がけましょう。適度な運動と、熱すぎないお湯でのゆったりした入浴は、全身の血行を良くしてリラックス効果が得られます。睡眠の質も高まり、ストレスが軽減し、自律神経のバランスを整えます。

 

 

 

 

それでも改善しない場合は、内耳の血流を改善するために、「耳引っ張りマッサージ」を試してみてください。両方の耳を上や下に引っ張ったり、折り曲げたり、回したり。痛くない程度に動かしていると、だんだん耳がポカポカしてきます。必ず両耳行いましょう。

 

 

以前のブログでも書いたように、症状が出る前であれば「酔い止め」薬が利くことも。ただし薬の種類や体質にもよります。

 

 

最近は、気圧変化を予測し、頭痛リスクに備えることのできるウェブサイトやスマホアプリもあります。「頭痛ーる」というサイトもしくはスマホアプリです。ウェブサイト版では、気圧の変化と頭痛の警戒度が天気予報のように示されます。スマホアプリでは、気圧が大きく変化するときに注意をお知らせしてくれるほか、体調や服薬の記録や管理もできるようです。

 

 

 

 

(頭痛ーる)

 

 

気象病は、健常な人たちからは理解されにくく、仮病と疑われて辛い思いをしてしまう人も少なくないのではないでしょうか。自身も辛いですから、改善・予防に向けて、まずは生活を見直してみることをお勧めします。

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