-続・【久住医師出演・TBSサタデープラス】食中毒、知らなきゃ損する常識チェック――キケンなお弁当はどっち?-

2019.06.28

引き続き久住医師による食中毒の解説。安全なお弁当のポイントと、調理器具の正しい消毒手順を知っておきましょう!

 

 

【まとめ】

 

☆美味しそうなハンバーグ・おにぎり弁当とソーセージ・目玉焼き弁当。ハイリスクなのはどっち?

 

☆プチトマトはお弁当のいろどりの心強い味方。でも、ささいなひと手間でキケン性が違ってしまいます。

 

☆調理器具の正しい消毒手順はどっち?――洗ってから熱湯をかける? 熱湯をかけてから洗う?

 

 

 

昨日に引き続き、TBS「サタデープラス」のクイズに沿って、ナビタスクリニック理事長・久住英二医師による食中毒解説をご紹介します。今回は、お弁当づくりの注意点と調理器具の消毒について。皆さんご一緒に考えながらご確認ください。

 

 

Q4. 食中毒を起こしやすいお弁当はどっち?――ハンバーグ・おにぎり弁当? ソーセージ・目玉焼き弁当?

 

 

 

 

夏から秋にかけての行楽シーズンで、お弁当をつくる機会も増えますね。でも、お弁当によっては作る際に注意を払わないと、食中毒を引き起こしやすいものもあります。

 

 

その1つが、ハンバーグや肉団子、ピーマンの肉詰めなどひき肉のおかず。

 

 

 

 

「ミンチにする際に、肉の表面に付いている菌を混ぜ込んでしまいます。そのため、中までしっかり火が通っていないと、O-157などの被害に合いやすいのです」と久住医師。

 

 

 

 

鶏肉や豚肉の場合、肉の中に元から食中毒細菌がいるため、レアでは食べられません。一方、牛肉の場合は、肉そのものには元来、食中毒を引き起こす細菌はいません。だからステーキは表面をきちんと焼けば中はレアで食べてもかまわないのです。

 

 

O-157が元々は腸管内に棲んでいて、それが屠さつ~食肉処理の際にカットした肉の表面についてしまうから。その過程を特別慎重に扱っている牛肉のみ、牛刺しやユッケなどで食べることは可能です。それ以外は表面を良く焼いて

 

 

通常の処理では食中毒細菌が肉の表面に付いてしまうのは致し方ないこと。それをさらに加工したミンチ形成肉(サイコロステーキ)では肉の中に細菌が入り込んでいるもの、と考えねばなりません。中がしっかり茶色くなるまで火を通しましょう

 

 

 

 

もちろん、調理過程で生肉を触った手で食器や弁当箱を触れないことは大前提。生肉を触ったら、まずは石鹸・流水で手洗いを最優先させるようにしましょう。

 

 

お弁当の定番、おにぎりとプチトマトは、こうすれば安全・安心!!

 

 

実は2つのお弁当には、あと2つ、書中毒リスクに違いが出るポイントがあります。

 

 

1つ目は、おにぎり

 

 

「おにぎりは手塩で握るのが一番美味しい。きちんと手を石鹸で洗えばいいでしょ」と思われている方、危険です

 

 

手についた細菌は、正しい手洗いによって大幅に減らすことができます。ですから、正しく洗った手でおにぎりを握ってその場ですぐ食べるなら、あまり問題はないでしょう。でも、正しい手洗いでも、細菌を完全にゼロにできるわけではありません。ちょっとの菌が、お弁当として長時間常温で置かれている間に、何千倍にも増えてしまうのです。

 

 

 

 

ですから、おにぎりをお弁当に持たせるときは、必ずラップの上から握るようにしましょう。

 

 

スタジオからは、「お弁当に梅干しがはいってるだけで殺菌効果が期待できるのでは?」という意見も出ていました。たしかに梅干しそのものは酸性で多少の防腐効果が期待できます。しかし、梅干しやそのエキスが触れていなければ、効果はほとんど及びません。ご飯の真ん中に梅干しを1つ載せてあっても、お弁当全体を殺菌してくれるわけではないのです。

 

 

そして2つ目のポイントは、プチトマト。落とし穴は、“へた”です。

 

 

へたの部分には、細菌が入り込んでいることがあり、なおかつ洗っても落ちにくい部分です。ですからもしプチトマトをお弁当に入れたいなら、へたを取って、よく洗ってから

 

 

 

 

 

 

その他、付け合わせやいろどりのグリーンも、レタスなどの生野菜を入れるよりも、ほうれん草のおひたしや茹でたブロッコリーなど、熱を通したものが安心です。

 

 

 

 

Q5.まな板の食中毒対策、まずすべきなのは? ――熱湯をかける? 洗剤で洗う?

 

 

 

 

食中毒予防には、調理器具の衛生管理も重要です。せっかく火を通した食材を、汚染された調理器具や食器で扱っては台無し。中でもまな板は、傷に汚れなどが張り込みやすく、菌の温床になりがちです。

 

 

 

 

お手軽で安全な消毒方法が、熱湯をかける、という方法です。煮沸消毒は手間ですし、第一まな板の入るお鍋などまずありません。熱湯をかけるだけでは、煮沸と比べてずいぶん短時間しか高温に曝されませんが、大丈夫なのでしょうか。

 

 

実は、熱湯消毒は塩素など薬品などによる消毒と比べても、効果の速さは断トツです。ですから100℃の熱湯であれば、きちんと行きわたれば一瞬でOKなのです。

 

 

そのためには、まな板を熱湯消毒する前に洗剤で汚れを落としておくことが大事です。

 

 

 

 

 

 

とくに肉や魚などを切った後のまな板にいきなり熱湯をかけてしまうと、タンパク質汚れが熱で固まってしまいます。まずは洗剤で汚れを落としてから熱湯をかければ、汚れがこびりつくことがなく、熱湯がまな板表面にまんべんなく行きわたります

 

 

 

 

その際、使用後のスポンジもしっかりすすいで、汚れを落としておくようにしましょう。スポンジも細菌の温床になりやすいアイテムです。

 

 

なお、ふきんも熱湯消毒が手軽でお勧め。熱湯に弱い素材の調理器具の場合は、可能であれば塩素消毒(キッチンハイター)をお勧めします。ただし、製品の表示に従い一定時間、漬け置きなどが必要。いずれにしても汚れは落としてから消毒しましょう。

 

 

ちょっとしたひと手間や正しい手順を心がけるだけで、食中毒のリスクを下げることができます。後悔先に立たず、日々気を付けていきたいですね。

 

 

久住英二(くすみ・えいじ)

ナビタスクリニック立川・川崎・新宿理事長。内科医、血液内科医、旅行医学、予防接種。新潟大学医学部卒業。虎の門病院血液科、東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム部門研究員を経て2008年、JR東日本立川駅にナビタスクリニック立川を開業。好評を博し、川崎駅、新宿駅にも展開。医療の問題点を最前線で感じ、情報発信している。医療ガバナンス学会理事、医療法人社団鉄医会理事長内科医、血液専門医、Certificate in Travel Health、International Society of Travel Medicine。

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