-ようやく届いた?風疹クーポン、自治体の助成制度も混在・・・受診時は両方ご持参を。-

2019.06.23

風疹は収まるどころか今年も患者が増え続けています。国の対策クーポンがようやく届いたご家庭も多いようですが・・・。

 

 

【まとめ】

 

☆風疹の抗体検査および予防接種を受けるためのクーポンが、市町村から続々発送されています。

 

☆ただ、風疹問題が騒がれたのは昨年末。半年の空白の間に患者は1700人超、先天性風疹症候群も3例発生しています。

 

☆国のクーポンと市町村の助成制度、異なる基準で混在し、医療現場や接種希望者に戸惑いも。

 

 

 

“クーポン”届きましたか? ようやく本格的に動き始めた成人男性への風疹定期接種。

 

 

ご家族に今年4月時点で満40歳から57歳の男性がいる方、ご自宅にもう“クーポン券”は届きましたでしょうか? といっても、ナビタスクリニックが送らせていただいたわけではなく、ましてお買い物クーポンでもなく、市町村から届く、国の風疹追加対策としての「抗体検査・予防接種」クーポン券です。

 

 

昨年の夏ころから、首都圏を中心に風疹の患者が急増。その大半が30代後半から50代の男性でした。その5人に1人は、風疹の免疫を持っていないためです(20代から30代前半では10人に1人)。最終的に昨年末までに2,917人の患者が報告され、国は急きょ、当該世代への定期接種の追加を決定しました。(厚生労働省が政令を改正して追加対策として実施。骨子はこちら

 

 

 

国立感染症研究所

 

 

ただ、実際に追加の定期接種クーポン券が送られてきたのは、ほとんどの自治体でようやく今月に入ってから。厚労省の決定から約半年も経っていました

 

 

その間にも風疹の感染は拡大。患者は増え続け、今年に入り、6月12日までにすでに1,718人の風疹患者報告されています。さらに、今月20日には、国内で今年3例目の「先天性風疹症候群」(母親が妊娠中に風疹に感染することで、生まれてくる赤ちゃんの目や耳、心臓などに障害が出るもの)が確認されたとの報道もありました。

 

 

国立感染症研究所

 

 

検査と接種の2度手間・・・子育て世代のご多忙な男性では、自費接種を選ばれる方も。

 

 

というわけで、風疹の流行は続いています。風疹は症状が比較的軽く済むこともあり、風邪だろうと高をくくっていたり、気づかなかったりする間に、感染を拡げやすいのです。該当する世代で未接種の男性は、身近な人が悲しい思いをする前に是非、すぐにアクションを起こしていただきたいのです。

 

 

NHKニュース 2019年6月20日

 

 

ただ、国の風疹クーポンを利用しようとなると、正直、煩わしさが先立ってしまうかも。接種する場合、2回は医療機関に出向かねばならないからです。

 

 

初回受診で、「抗体価」(風疹免疫の有無)の検査をします。その後、その結果を郵送で、もしくは受診して受け取り、その際に陰性(免疫が十分でない)となれば接種を受ける、という流れです。

 

 

立川市

 

 

自治体によっては、陰性であっても、結果を聞きに再び医療機関へ足を運ぶ必要があるところも。

 

 

医療機関の診療受付時間は、平日のお昼休みを除いた夕方まで、土曜は午前のみ、というところが大多数。働き盛りの男性が、平日に2度も、それなりの時間を割かねばならないのです。

 

 

ただ実は、抗体検査を受けずに、いきなり予防接種を受けても特に問題はありませんむしろ、ギリギリ陽性の人は今後、加齢とともに風疹に対する免疫がますます弱まっていくと考えられますから、接種しておいたほうが良いくらいです。(本来、十分な予算が付き、ワクチン数が足りるなら、検査を抜きに「該当する世代の男性は一律接種」としてもおかしくないところなのですね)

 

 

というわけで、ナビタスクリニックでは、抗体検査を省略して、自費でMRワクチンもしくはMMRワクチン(当院で個人輸入しています)を接種されていく方が少なくありません。

 

 

 

 

クーポン持参で抗体検査を受けに来られても、説明を聞いて自費での接種に切り換える方もいらっしゃいます。特に、多忙を極める30~50代のビジネスマンでは、おたふく風邪も一緒に予防できるMMRワクチンを選ばれる方も。ナビタスクリニックがエキナカに立地し、平日夜9時まで診療しているため、費用以上に時間を惜しまれる方の利用が多いのかもしれません。

 

 

国と自治体の2制度混在、異なる抗体価の基準。医療現場に戸惑い?!

 

 

当事者の方は心当たりがあるかと思いますが、国による追加対策として行われる抗体検査・予防接種の他に、以前から独自に助成を実施している自治体もあります。

 

 

結果、2つの制度が混在している自治体も多そうです。

 

 

ナビタスクリニック新宿の山本佳奈医師も、AERA.dot掲載記事国の抗体検査対策は非効率的?麻疹と風疹、勢い衰えずで、上記と同じく抗体検査の必要性を問うと共に、次のように記しています。

 

 

(国は)抗体検査において抗体価の低いこと(HI法で8倍以下、EIA法で6.0未満など)が判明し、かつ希望する男性に対して1回のワクチン接種を無料で行う対策を始めています。

 

 さらに、新宿区では、妊娠を希望する女性または妊婦の配偶者やパートナー、同居人に対して、過去に風疹ワクチンの接種歴がない場合に限り、風疹の抗体検査を無料で行い、今回の抗体検査において抗体価の低いこと(HI法で16倍以下、EIA法で8.0未満など)が判明した際には、麻疹風疹ワクチンの助成を行う対策も行われています。

 

 私の勤め先のクリニックは新宿区にあるため、これら2つの制度に該当する男性がたくさん受診されています。どちらを使用する方がいいのか、注意して確認しなければならないのです。

 

 

山本佳奈医師

 

 

ちょっと難しいのですが、要するに、厚労省の示す基準では「陰性」(抗体価が低い、免疫が不十分)となるラインが厳しく予防接種を無料で受けられる対象から外れやすくなっています。そのかわり、対象者となれば接種は1回無料です。

 

 

一方、新宿区独自の助成の基準では、より「陰性」とされやすく、助成が受けやすいと言えます。男性では妊娠を希望する妻、パートナー、もしくは同居人の存在が前提となっていますが、対象年齢は広くなっています。ただし完全に無料となるわけではないので、厚労省の基準を満たす人はそちらを利用する、というかたちです。(詳しく新宿区ホームページ

 

 

ナビタスクリニック立川院(立川市)や川崎院(川崎市)でも同じような状況があり、医師やスタッフが慎重な対応を迫られています

 

 

接種を希望される方で、年齢的にどちらの制度にも該当する場合は、抗体検査の際に念のため両方のクーポンや書類等をお持ちください。国の定める抗体価を上回っていた場合でも、市町村独自の助成制度が使える場合があります。自費でのMR・MMRワクチン接種に関心がある方も、お気軽にご相談ください。

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