-【マイナビニュース連載開始!久住医師】予防接種が社会人の常識である理由(麻疹が世界中で「はやる」のはなぜ?)-

2019.06.15

医療の発達した今日でも、感染症は世界各地で流行しています。社会人に必要な予防接種について、久住医師が解説する連載が始まりました。

 

 

【まとめ】

 

☆ナビタスクリニックが予防接種に力を入れる理由とは? ”コンビニクリニック”は予防接種との親和性が高いんです。

 

☆流行中の麻疹、風疹。ワクチンは昔からあるのに、なぜ今も流行を繰り返している? 

 

☆反ワクチン運動が問題にしている「副反応」は、本当にワクチンの副反応? フリーライダーはなぜ問題なのか。

 

 

 

マイナビニュースで連載予防接種が社会人の常識である理由が始まりました。ナビタスクリニック理事長の久住英二医師が毎回、大人のための予防接種解説を行います。

 

 

マイナビニュース トップ画像も)

 

 

予防接種は子供やお年寄りが受けるもの、というイメージを持っていませんか? 連載をお読みいただくことで、その“思い込み”はきっと払拭されるはず。社会人、もっと言えばデキるビジネスパーソンこそ、予防接種を率先して受けるべき、とお分かりいただけるはずです。

 

 

今回は、第1回「麻疹が世界中で『はやる』のはなぜ?」から、久住医師の解説をご紹介します。

 

 

なぜ、ナビタスクリニックが予防接種に力を入れるのか?

 

 

ナビタスクリニックは、内科、小児科、皮膚科といった一般的な診療科目に加え、女性内科、トラベルクリニック、そして予防接種に力を入れています。国内では通常流通していないワクチンであっても、世界のスタンダードに合わせて個人輸入し、幅広く常備しています。

 

 

 

 

ナビタスクリニックがこれだけ予防接種を充実させる理由はどこにあるのでしょうか? 久住医師は以下のように説明します。

 

 

「ニュースなどで耳にしたことがある方も多いと思いますが、今、世界的には麻疹(はしか)が、日本国内では風疹が流行しており、国はワクチン接種を推奨しています。でも、ただ『予防接種を受けてください』といったところでなかなか人は動きません。だって、本人は痛くもかゆくもないし、悪いところもないのですから。

 

どこかの誰かのために受けてくださいという呼びかけでは、忙しい社会人が半日つぶして予防接種を受けには行かないのです。

 

こうした感染症の対策には、いかに予防接種のハードルを下げるかが重要です。そういった点においても、夜の時間帯も受診できる医療機関が、日常の生活動線上、もしくは電車で駅まで来ればすぐに受けられる所にあるということが、医療ニーズを満たす上でのハードルを下げることにつながると我々は思っています」

 

 

(Shutterstock)

 

 

 

ナビタスクリニックは現在、新宿駅、立川駅、川崎駅の3か所にあります。いずれも忙しい都市生活者が朝晩に必ず通る駅です。しかも、改札を出て雨に濡れずにアクセスできる広義の”駅ナカ“に特化した立地。さらに平日は夜9時まで診療していますから、仕事に穴を開けずに予防接種を受けることができます。

 

 

利用者の利便性を第一に追求した、いわば“コンビニ診療所”というナビタスクリニックの在り方そのものが、予防接種の特殊性にマッチしているのです。

 

 

なぜ、ワクチンで予防できるはずの病気が世界中で流行っているのか?

 

 

ここで一つの疑問。風疹や麻疹など、もう長年にわたってワクチンが存在し、予防できるはずの感染症が、なぜ今だに流行を繰り返しているのでしょうか。

 

 

(Shutterstock)

 

 

これについて久住医師は、以下のように見解を示しました。

 

 

「世界的なワクチンの接種率には地域格差があり、接種率が低い国や地域があります。そうした中、グローバル化で人々が世界中を行き来するようになったことで、免疫のない人を媒介とし、流行が世界中に拡大しているのです。

 

日本には今、年間3,000万人以上の外国人渡航者がいますから、海外から感染症が持ちこまれるケースも十分にあります。今流行っていないから大丈夫という考えを無くし、社会全体の免疫の獲得率を上げなければいけないですね」

 

 

 

 

このように発展途上国などではいまだに予防接種の普及が追いついていない地域も多い一方、先進国でワクチン普及に水を差しているのが、「反ワクチン運動」です。

 

 

ワクチン接種の「副反応」による重大な、しかし非科学的な健康被害の噂が広まり、ワクチン接種を拒否する動きがあちこちで広がっています。ネット上も賛否両論が入り乱れた状況に。

 

 

しかし、そもそも国内で現在流通している、あるいは世界のスタンダードとなっているワクチンから発病する可能性はゼロ。久住医師も断言しています。

 

 

では、反ワクチン運動家の人々が問題視する「副反応」とは、何を指すのでしょうか?

 

 

反ワクチン運動が問題にする「副反応」は、本当に「副反応」なのか?

 

 

反ワクチン運動では、予防接種後にごくまれに発生する、めまいや失神などを引合いに出し、ワクチンの重大な問題としています。ところが実際には、これはワクチンそのものではなく、注射の痛みや恐怖、不安感から引き起こされる症状。迷走神経反射」と言われます。

 

 

 

 

迷走神経反射は、激しい痛みや情緒不安定の他、長時間の立ちっぱなしや、暑い中での激しい運動などによって、自律律神経系が正常なコントロールを失い、血圧や心拍数が下がり、脳に行く血液循環量を確保できないために引き起こされます。頭痛、吐き気、ふらつき、発汗、虚脱感などが見られることも。

 

 

「(前略)それでも、10万分の1のリスクも避けたいという場合、周りの人がみんな予防接種を受けていて、その病気が流行していない状態だったら、自分だけ受けないというフリーライドは可能です。ところが、そんなフリーライダー、つまり免疫のない人が5%を超えてくると、流行は起きてしまいます

 

実は、カリフォルニアで2015年に起きたはしかの流行はまさにそれでした。フリーライドしていたのは高学歴で高所得な人々。なぜなら彼らは病気になっても医者にかかれるし、自分でネットなどを通じていろいろ勉強した結果、誤った結論に達してしまったんですね。

 

このように、合成の誤謬※というか、受けない方が害がないという人が積もってくると、とたんに前提条件が変わってしまう。こうした状況が、実は今、全世界的に起きています。それも、はしかが世界的に流行している一因なんです」(久住医師)

 

※個人にとって真実であることは、集団にとっても真実であると誤って認識すること

 

 

 

 

予防接種を受けられて当たり前の環境に生きていると、どれだけ自分や人類がその利益を享受しているかを忘れがちになります。あるいは、ワクチンの安全性が当たり前に思えるからこそ、かえってワクチンの被害とされる事象(実際の原因は別だったとしても)が目立つ、という皮肉な状況にあると言えそうです。

 

 

ワクチンが、現段階で最も確かな感染症予防手段であることは、ゆるぎない事実です。自分のみならず、身近な人や大切な人のために、アクションを起こしましょう!

 

 

久住英二(くすみ・えいじ)

ナビタスクリニック立川・川崎・新宿理事長。内科医、血液内科医、旅行医学、予防接種。新潟大学医学部卒業。虎の門病院血液科、東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム部門研究員を経て2008年、JR東日本立川駅にナビタスクリニック立川を開業。好評を博し、川崎駅、新宿駅にも展開。医療の問題点を最前線で感じ、情報発信している。医療ガバナンス学会理事、医療法人社団鉄医会理事長内科医、血液専門医、Certificate in Travel Health、International Society of Travel Medicine。

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