-【堀江貴文氏 ✕ 久住英二医師】HPVワクチン問題、2つのデマに翻弄される接種政策。(前編)-

2019.06.04

堀江貴文氏と久住医師のトークイベントを3回に分けてレポート。前編では、HPVワクチン問題についての久住医師による解説をまとめます。

 

 

【まとめ】

 

☆堀江貴文氏(予防医療普及協会理事)と、当院理事長の久住英二医師のトークイベント、テーマはHPVワクチンとアフターピル問題。

 

☆HPVワクチンの再定期接種化を阻む、「子宮頸がんを防げない」「重い副作用が出る」という2つのウソ。

 

☆科学的でなく情緒的な政策形成がなされている日本。「ワクチンを打たないとどうなるか」という、倫理的に許されない実験に等しい状況に。

 

 

※中編「HPVワクチン“被害者”の真実と、積極勧奨再開への道とは?」はこちら

※後編「アフターピルも性教育も、まずはYouTuberから!」はこちら

 

 

 

5月24日、予防医療普及協会の主催で、同協会理事・堀江貴文氏と、ナビタスクリニック理事長・久住英二医師のトークイベントが開催されました(DMM「予防医療を習慣化するサロン:未来の健康をつくる」オフ会)。テーマはHPVワクチン問題とアフターピル問題。ナビゲーターとして、同協会顧問で産婦人科医の三輪綾子医師が参加しました。

 

 

イベントの冒頭で久住医師は、HPVワクチンとアフターピルの両問題に共通しているのは、「実際に必要としている人やメリットを受ける人が議論から置いていかれ、科学に基づかない決定に振り回されていること」と指摘。その状況をどうすれば打開できるのか――。タブーなし、時に辛辣ながら、今後の展開に期待が膨らむトークライブとなりました。

 

 

 

 

まず、久住医師からHPVワクチンとその接種政策に関連した2つの問題について解説がありました。今回はその内容をざっくりご紹介します。

 

 

「HPVワクチンでがんは予防できない」? デマに惑わされず真価を見極めよう。

 

 

HPVは、ヒトパピローマウイルスというウイルスで、細かく見れば100種類以上あり、そのうちの一部が子宮頸がんを作りますのど、直腸、陰茎などにがんを作るものもあります。手足などにできるイボもHPVによるものです。

 

 

そうした様々なHPVのうち、HPV16とHPV18への感染を予防できれば、子宮頸がんの7割は予防できるんです。国内流通しているサーバリックスとガーダシル4でそれが可能です。さらにガーダシル9も打てば、90%がんを防げることになります。

 

 

男性の場合、陰茎がんの原因になるのはHPV16だけなので、サーバリックスで十分ですが、パートナーへの感染を防ぐにはガーダシル4、さらに9を打っておくことが望ましいのです。

 

 

 

 

「HPVワクチンでは子宮頸(浸潤)がんを防げない」というウソがまことしやかに言われているようです。しかし、前がん病変を予防できれば、浸潤がんも防げるのは自明の理です。ですから私はHPVワクチンで浸潤がんも防げると言ってよいと考えていますし、その証拠となる研究結果も近年、報告されています。

 

 

また、子宮頸がんワクチンは他の感染症予防ワクチンと違って個人の問題、という言われ方もします。しかしスコットランドの研究では、セクシャルデビュー前に定期接種を受けた世代は、ほとんど高度異形成(前がん病変)が発生しなかっただけでなく、受けていない世代の発症率まで下げる効果が観察されました。これはHPVが人から人へと移るのをブロックできた結果であり、集団免疫効果ありと言えるでしょう。アメリカでのデータでも同じことが分かっています。

 

 

 

 

日本国民は「ワクチンを打たないとどうなるか」という実験台にされているのと同じ!

 

 

では、なぜ「HPVワクチンでは子宮頸がんが防げない」と言われてきたかというと、子宮頸がんを防いだ、とする論文がないからです。それは、子宮頸がん検診が徹底している国では、前がん病変段階で芽を摘んでいるから。浸潤がんの発生が見られなくて当然なのです。

 

 

それでも近年、フィンランドからは、子宮頸部浸潤がんを防いだ、とする研究も出てきています。まだデータが小さいので、今後さらに大きなデータで立証されることが期待されます。

 

 

 

 

一方、日本は、数年間だけ子宮頸がんワクチンを高率に受けた世代がいて、その後急速に接種率が低下しています。将来的に、高度異形成や前がん病変の発症率が違ってくるはずです。つまり、「やめるとこうなっちゃう」というデータを、日本は世界で初めて報告できてしまうという恥ずべき事態が待っているのです。

 

 

そのような実験は、倫理的に許されるはずがありませんから、臨床試験では絶対に示すことができません。大変残念ながら、日本国民が身をもって実験台になっているのと同じです。

 

 

科学的根拠のない「副作用」のウワサに流され、情緒的な政策形成がなされる日本。

 

 

HPVワクチンでは、科学的根拠のない「副作用」のウワサが蔓延しているのも問題です。

 

 

かつてフィンランドで、HPVワクチンによる副作用として、歩行障害、てんかん、自閉症、起立性頻脈症候群、自己免疫疾患などが報告されました。ウェイクフィールドという有名な反ワクチン学者によるものです。

 

 

しかし、実際には、いずれも統計学的にほとんど意味のない結果でした。発症率でみれば、「副作用」とされたほとんどの症状が、ワクチンを受けていない場合と大差ありませんでした。科学的には因果関係を肯定も否定も出来ないのです。

 

 

 

 

名古屋の研究でも、完全に反ワクチン側に立つ被害者連絡会が協力した「副作用」調査アンケートが作られ、データが出されました。それでも「副作用」症状が発生する頻度は、ワクチン接種によって大きく変わりませんでした。

 

 

 

 

今の日本では、科学的でなく情緒的な政策形成がなされています。ガーダシル9は、PMDAへの製造承認申請からもう4年近く経つのにまだ承認されません。これは科学的見地というより、世の中の空気を読み、訴訟の動向を見ていると思われても致し方ないでしょう。

 

 

私(久住)は国家に信頼を置いていないので、ガーダシル9を月に200本近く個人輸入しています。毎回、予約はすぐに埋まります。最近はやや日本人も増えてきましたが、実際の希望者は、中国からの留学女性がほとんどです。

 

 

日本国民にも正しい情報が共有され、自分や大切な人を守るための行動につながるよう、これからも呼びかけていきます。

 

 

 

 

(中編につづく。次回から堀江氏と久住医師のフリートークをご紹介します)

 

 

久住英二(くすみ・えいじ)

ナビタスクリニック立川・川崎・新宿理事長。内科医、血液内科医、旅行医学、予防接種。新潟大学医学部卒業。虎の門病院血液科、東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム部門研究員を経て2008年、JR東日本立川駅にナビタスクリニック立川を開業。好評を博し、川崎駅、新宿駅にも展開。医療の問題点を最前線で感じ、情報発信している。医療ガバナンス学会理事、医療法人社団鉄医会理事長内科医、血液専門医、Certificate in Travel Health、International Society of Travel Medicine。

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