うつ状態は、心の休息期間かもしれません。気分が↑↑↑の時こそ、頑張り過ぎないことが肝心です。
【まとめ】
☆今年は6月病がキケンな理由とは? 楽しかった大型連休の落とし穴・・・。
☆5・6月病は、うつ病? 双極性障害? 頑張り過ぎ、気分がノリノリ、絶好調・・・そんな時期の後が怖いんです。
☆5月に頑張り過ぎた自覚のある人は、張りつめた糸が切れてしまう前に、いったんここでリセットしましょう!
5月病はなぜ起きる? 今年は「6月病」の方がハイリスクな理由とは?
昔から5月はメンタルヘルス上の問題を抱える人が急増し、「5月病」と呼ばれてきました。特に大学の新入生や新入社員が新しい環境に適応できず、その頃になってぷっつり糸が切れたように意欲低下に陥ることが多いようです。
ところが今年は6月、さらに新入生・新社会人に限らず、さまざまな人のメンタルが危険な状態に陥る可能性がありそうです。
大きな要因は、やはり過去に例のない「10連休」。
一般に、3日間以上の連休明けの出社は辛い、という調査結果があります。全国の働く20〜40代男女500名に聞いたところ、連休明けは「仕事が辛い」と感じる人が8割超でした(株式会社スタッフサービス・ホールディングス)。
連休が長くなるほど、その楽しい時間や生活スタイルに慣れてしまい、仕事に行きたくない思いが強くなりがちです。しかも、連休が長くなるほど仕事が溜まり、連休明けにそれをハイペースで処理する必要に迫られます。ますます会社へ行くのが億劫になりますね。また逆に、しっかり休めなかった人も、働くことに嫌気がさしてしまう場合があるといいます。
実際、長期連休明けは不調を訴え出社できなくなる人が多い時期。特に今年は、10連休の反動が思った以上に大きかった、という人もいるのではないでしょうか。
うつうつとした気分は伝染するものです。また、連休明けにやる気をなくした、気分が落ち込む、出社できない、といった人が出てくると、その影響が徐々に周りに伝播します。あるいは、溜まった仕事をいっきにこなそうと、無理をしてきませんでしたか? 全速力で頑張ってきた方は、そろそろ息切れしてしまうキケンも・・・。
そんなこんなで、6月に入って一気にガタガタっと「6月病」に陥る人が出てくる可能性があります。
5月病・6月病は、うつ病? 双極性障害? 別のものですが、どちらも頑張り過ぎた後が危険です。
5月病や6月病では、気分の落ち込み、無気力、無関心、悲観、朝起きられない、といった「うつ状態」が続き、異変に気づきます。この5月病や6月病、お察しの通り、正式な病名ではありません。精神科や心療内科を受診した場合、ストレスになる特定の原因が明らかであれば「適応障害」と考えられることも多いのですが、そうでなければ、多くの人は「うつ病」と診断されるようです。
うつ病は、主にストレスが原因。ただ、ストレスに対する自覚のない場合もあります。
人はストレスにさらされると、これに立ち向かう「副腎皮質ホルモン」が分泌されます。通常は次第にストレス反応が止まり、副腎皮質ホルモンの分泌も減ります。しかし、強いストレスにさらされ続けると、分泌も止まらず、結果として脳細胞やそのつながりに変化が生じ、脳の機能が低下してしまいます。これによって、気分の落ち込みなどのうつ状態に陥るのです。
ですから環境次第で、誰にでもリスクがあるのがうつ病と言えます。
ただし、ストレスに対する弱さには個人差もあります。遺伝的体質や生育環境などがストレスによるうつ病への罹りやすさに影響します。
もう一つ、5月病・6月病では、うつ病と間違われやすい「双極性障害」の可能性もあります。いわゆる「躁うつ病」です。
双極性障害では、「うつ状態」と軽い「躁状態」とを繰り返すタイプがあります。軽い「躁状態」では、気分がハイになり、通常よりエネルギッシュに活動して回るのが特徴ですが、本人も周りも異常とは気づきにくいのが普通です。
ところがそんな状態が永久に続くわけではなく、症状がいったん収まることもあれば、ある時から次第にうつ状態に転じることもあります。そこで初めて、人は自分の体調の異変に気付くのです。
双極性障害は、うつ病とは違ってストレスだけで発症するものではないようです。遺伝的な体質により、脳細胞に変化が起きて発症すると考えられています。ただし、遺伝病とは違って、そうした体質を持っていても病気になるとは限りません。また、ストレスは発症のきっかけにはなると考えられます。
うつ病や双極性障害について詳しく知りたい方は、以下もご参考になさってください。
5月中頑張り続けてきた人、張りつめた気持ちの糸を、ここでいったん意識的に緩めましょう!
5月病・6月病に似たことは、ビジネスマンが大きなプロジェクトを不眠不休で成し遂げた後にも起こりがち。アクセルを踏み込んでしまった足をうまく戻せず、自分の限界以上のスピードで走り続けた結果、電気系統がショートするようなもの。実は、うつ状態は、強制的に車を止めて休ませようとする現象なのかもしれません。
異変に気付いたら精神科などを受診し、きちんと治療しましょう。
一方、6月病を防ぐためにできることはないでしょうか? 3つのポイントをご紹介します。
1.「絶好調!もっと頑張れる!」と思っている時こそ、あえてブレーキをかけて、しっかり休息を。
調子のよい時こそ、あえて体も心も休めることが大事です。仕事などがノっている時は、そのまま一気に突き進みたいもの。しかしそれが落とし穴。そんな時こそ意識的に、睡眠環境を整えて十分に眠れるよう工夫したり、自然の中でのんびり過ごす時間を取るよう心掛けてみてください。
2.我慢して自分一人で背負い込まない。思い切って人にSOSを伝えましょう。
デキる人、周囲に期待されている人ほど、多くを抱え込みがち。実際、頑張ればできてしまうことが、実はかえって問題です。負担感が長く続けば、いつか心が壊れてしまうかもしれません。そうなってからでは回復は想像以上に大変です。
実際に仕事などを減らせない状況の人も、誰かに愚痴を聞いてもらうなど、気持ちの吐き出し口があるだけでも違います。根本的改善にはなりませんが、そうやってその場を凌ぎつつ、現実に状況を変えるよう動いてみましょう。
3.スポーツなどで体を動かしましょう! 運動はストレスレベルを下げることが分かっています。
新しい環境で相談相手がいない人、あるいはプライドが邪魔して弱音を吐けない人は、まずスポーツや運動の時間を確保してみましょう。一時でも現実を忘れられる時間を持つだけでも違いますし、体を動かすことは自律神経の乱れを整え、ストレスレベルを下げるのに有効です。
ただし運動習慣のなかった人が急に30分以上運動をすると、興奮状態に陥って逆効果になりかねにことが研究で分かっています。20分程度で集中できるものがオススメ。バッティングセンターや、軽いウォーキングなどを取り入れてみましょう。
心当たりのある人もない人も、ぜひこの3つを心がけて、健やかに6月を乗り切りましょう!