-元NHKアナ松本和也氏「心に届く話し方」講座で、患者さんとのコミュニケーション向上へ!-

2019.04.26

患者さんとのコミュニケーション向上のため、元NHKアナウンサー松本和也氏による医師・スタッフ向けの話し方講座が各院で開催されました。

 

 

【まとめ】

 

☆元NHKアナ松本和也さんをお招きし、意思疎通のコツ、伝わる話し言葉(構造編・発声発音編)を医師・スタッフ一同学びました。

 

☆共感から入るとコミュニケーションが成立する。「通じないもの」という前提から入り、通じさせるための努力を惜しまない。

 

☆情報の詰め込み過ぎは、話し手の自己満足。大事なことが1つ伝わればいい、という気持ちで。

 

 

 

元NHKアナウンサーとしての経験と知識をギュッと凝縮した「マツモトメソッド」。

 

 

ナビタスクリニックの医師や看護師他のスタッフが毎日の診療で大切にしているのが、患者さんとのコミュニケーション。そこで先日、医師・スタッフ向けに、NHKアナウンサーの松本和也さんによる「心に届く話し方」講座が各院で開催されました。

 

 

 

 

患者さん一人ひとりのお話によく耳を傾けることはコミュニケーションの基本ですが、同時に、大事な情報やお知らせを正しく、十分にお伝えできなければなりません

 

 

十分配慮しているつもりでも、各院とも立川、新宿、川崎という主要駅のエキナカに位置するため、受診される患者さんも十人十色。本当にきちんと伝わっているのか、あるいはもっと上手に患者さんにお伝えすることはできないのか、悩む場面もあるようです。

 

 

そこで、松本さんがこれまでのご経験と知識を元に確立された「マツモトメソッド」に学ぼう、ということになりました。

 

 

 

 

 

 

今回の内容は大きく3つ。

 

 

1.「意思疎通」のコツ

2.伝わる話しことば「構造編」

3.伝わる話しことば「発音・発声編」

 

 

貴重な講座ですので全てをここで公開するわけにはいきませんが、松本さんのお許しを得て、1と2について、さわりをご紹介します。

 

 

共感からコミュニケーションは成立します。一方通行でなく相手に確認しながら。

 

 

1の「意思疎通」は、医師やスタッフにとって特に重要です。先の通り、地域の主要駅に集まる患者さんの背景は実に様々ですし、医療側と患者側で持っている知識の量も全く違います。そのため、コミュニケーションにも配慮が求められるのです。

 

 

松本さんも「NHKのど自慢」では、司会者として、緊張したりテンションの上がったりしている出場者の方々からお話を聞く必要がありました。やはり一筋縄ではいかなかったとのこと。試行錯誤の末に、的確にお話を引き出す技術を見出していかれたそうです。

 

 

「まず通じないのが前提と考えて、そこから何を話すか、と考えた方が落ち込まないです。通じないから努力する、理解してもらうために手間を惜しまない」

 

 

「事務的に聞いても答えてはもらえません。患者さんであれば、その痛みや苦しみにまず共感した後にコミュニケーションが成立します」

 

 

「一番大事なのは、一方的にいっぺんに話さないで、相手に一回一回相手に話を振ってあげて、確認するんです」

 

 

と松本さん。一同、真剣に耳を傾けていました。

 

 

 

 

伝わる話し方、ポイントは声だけではありません。話している文章の構造が大事なんです。

 

 

2の「構造編」では、話す文章の組み立て方によって、伝わり方が大きく違ってくる、ということを具体的に見ていきました。

 

 

「相手に分かってもらうことが最大の価値です。『いいことをたくさん伝えたい』というのは、伝える側の自己満足。話の受け手が消化できて初めて、良い話し方と言えます。長い、つまらない、分からない、と思われたらおしまいです」

 

 

話す順序、分量、密度、スピードに配慮が必要です。要するに、聞き手が一度聞いただけでわかるようにする、ということ。ビジネスパーソンなのか、おじいちゃんおばあちゃんなのか、体調はどうか、など受け手よっても変わってきます

 

 

 

 

そうした観点に基づく「伝わりやすい話し方」の3つのポイントは以下の通り。詳しく知りたい方は是非、松本さんのご著書『心に届く話し方 65のルール』でご確認くださいね。

 

 

1.理解

2.聞きやすい

3.心に響く

 

 

心に届く話し方 65のルール』

ダイヤモンド社 松本和也著

 

 

松本さんが経験した「医師あるある」に学ぶ。大事なことを、まず1つ伝える気持ちで。

 

 

松本さんは、かつて息子さんが腎臓移植を受けねばならなくなった時の話もしてくださいました。

 

 

「腎臓移植を告げられて、妻と息子本人はショックを受けて呆然としている。しかし、そんな二人を置き去りに担当の先生はバーっと話し始めました。でも、耳に入ってこないんですね。

 

私は、『ちょっと待ってください』と先生をいったん止めて、『何か今すぐ、急いでどうにかしないと、ということはないですか?』と聞きました。そういったことはない、とのこと。私は妻と息子に『大丈夫だぞ』と声を掛けて落ち着かせた上で、『では続きをお願いします』と先生に頼みました

 

 

医師あるある、ですね。医師にしてみれば、大事なことを漏れなくすべて伝えねば、と思うものです。それは、誠実に対応しようとしているからこそ。しかし、10のことを言いきったと思っても、受け手に1も伝わっていなければ意味がありませんね。

 

 

 

 

「大事なことがまず1つ伝わればよし、という気持ちでいることです。最初にざっくり挙げるポイントは3つ、多くても5つまでにしてください」

 

 

さて、ナビタスクリニックはゴールデンウィーク中も診療いたします。ホームページからスケジュールをご確認の上、おいで下さい。「マツモトメソッド」を踏まえ、医師・スタッフ陣の「話し方」も、この期間中にバージョンアップを目指してまいります!

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