-大人気のサラダチキン・・・白身肉と赤身肉、何が違う? 赤身肉も適量摂る方がヘルシー!-

2019.02.12

筋トレブームの中、鶏むね肉が大注目されています。一方で、赤身肉は摂らないという人も。でも、ちょっと待ってください!

 

 

【まとめ】

☆サラダチキンなど鶏むね肉が人気です。鶏むね肉は白身肉の代表選手、たしかに高タンパクで低カロリー。

 

☆白身肉と赤身肉、違いは「ミオグロビン」の量。お肉が赤いのは、実は血の色ではありません。栄養の差は?

 

☆赤身肉で発がんリスク上がる? 赤身肉と白身肉、バランスよく積極的に摂ることが大事!

 

 

 

サラダチキンで人気の鶏むね肉。高たんぱくで低カロリー、そして経済的!

 

 

いまやコンビニの定番商品となっているサラダチキン。数年前とくらべて様々な味付けが増えて、品揃えも充実していますよね。消費者の健康志向、特に低糖質、ダイエット(減量)や筋トレと言った目的にマッチし、何と言っても手軽さが受けているのでしょう。

 

 

このサラダチキンの人気は、そもそも素材である鶏むね肉への注目を背景としているようです。

 

 

鶏肉の部位別、さらに豚肉・牛肉の赤身部分の栄養価を比べてみましょう。

 

(文科省「食品成分データベース」より作成)

 

 

こうしてみると、たしかに鶏のささみとむね肉が、他に比べて、より高たんぱく低カロリーであることがよく分かります。しかも、ささみよりもむね肉のほうがずっと低価格

 

 

体脂肪を落として筋肉をつけたい人や、糖質と脂質の摂取を控えてダイエット(減量)したい人が、鶏むね肉に熱い視線を送るのは、とても合理的というわけです。

 

 

ただ実は、ボディビルダーのようにとにかく筋肉をつけたい、という場合には、多少カロリーも多めに必要。筋肉合成には材料としてのタンパク質だけでなく、その様々な過程でエネルギーが使われるためです。

 

(NHK「みんなで筋肉体操」)

 

 

その意味では、筋肉づくりには鶏むね肉やささみだけでなく、むしろ鶏もも肉や豚肉、牛肉が向いているとも言われます。

 

 

鶏むね肉は白身、でも鶏もも肉は赤身!? 白と赤、何が違う?

 

 

分かりやすいところで言えば、赤身肉は、見た目に赤い色をした肉、白身肉は白っぽい、ピンクがかった色をした肉です。

 

 

具体的には、牛肉や羊肉、馬肉などは顕著な赤身肉(脂身やサシは除く)。一方、鶏むね肉や仏料理で食べられるハト肉などは、典型的な白身肉。変わりどころでは中華料理で食べられるカエルなど爬虫類の肉も白身肉です。

 

 

 

両者は何がちがうのでしょうか?

 

 

ヒントは、ドリップ。スーパーでパック詰めになった肉から、透明な赤っぽい汁が出ていたりしますよね。あれは、実は血液ではありません。屠殺後にしっかり血抜きがされています。

 

 

実は肉から染み出る液を赤っぽく染めているのは、「ミオグロビン」という物質です。

 

 

ミオグロビンは、筋肉中にあって、酸素を一時貯蔵しておく色素タンパク質。赤身肉の筋肉は、立ったり、歩いたり、絶えず動いているような筋肉で、ゆっくり収縮するため「遅筋」と呼ばれます。酸素を多く必要とする、いわゆる有酸素運動に使われる筋肉ほど、ミオグロビンを豊富に含み、濃い赤色になるのです。

 

 

 

例えば、昔よく食べられていたクジラの肉は赤黒いのも、水中に潜る間の酸素を大量に筋肉に溜めておく必要があるため。貯蔵しなければならないためです。

 

 

一方で、鶏むね肉などの白身肉は、ほとんどミオグロビンを含んでいません。白身肉は、瞬発力を必要とするような素早い動きのみに使われる筋肉で、「速筋」と呼ばれます。ミオグロビンは少なく、エネルギー源はもっぱらグリコーゲン(貯蔵型の糖)です。

 

 

 

ところが、鶏肉でも、もも肉などには赤身の部分がありますよね。特に、放し飼いの地鶏などだと、絶えず歩いたり飛び跳ねたりしているため、ミオグロビンの量が増えるからです。

 

 

さて、赤身肉と白身肉、栄養価にはどんな違いがあるでしょうか?

 

 

実は、赤身肉にはミオグロビン以外にも、セレン、鉄、亜鉛など、必須の微量元素が、白身肉より多く含まれる傾向があります。また、牛肉には鉄分や抗酸化作用のあるカルニチンが多く含まれ、豚肉はビタミンB1が豊富です。

 

 

他方、鶏むね肉には「イミダペプチド」という、アミノ酸が結合した成分が豊富に含まれます。渡り鳥が不眠不休で長距離飛び続けるのを助ける、抗疲労成分と言われます。

 

 

減量の観点では白身肉の方が安心して摂りやすいように見えますが、栄養バランスを考える上では赤身肉の方が優れている点もあり、また肉の種類によっても特徴があるのです。どちらが優れているとは一概には言えない、ということですね。

 

 

赤身肉で発がん? 心配せず、様々なタンパク源をバランスよく摂ろう!

 

 

さて、「牛や豚の肉を多く食べると大腸がんリスクが上がる」という、ちょっとショッキングなニュースが最初に流れたのは、2007年のこと。世界がん研究基金と米国がん研究協会による報告書『食物・栄養・身体活動とがん予防』が、世界中の研究結果を元に、赤肉(ここでは牛・豚・羊など哺乳動物の肉、という意味。脂身等も含み、部位は問わない)や加工肉(ハム・ソーセージ)摂取は大腸がんの「確実なリスクと評価したのです。

 

その後、日本でも国立がん研究センターの研究グループが2011年、肉類の摂取量と大腸がん発生率との関係について、8万人への調査結果を元に分析し、論文を発表しています。対象となったのは、それまでにがんや循環器疾患にかかったことのない、45~74才の人たちです。

 

 

その結果、肉類全体の摂取量が多い(1日に約100g以上)男性の結腸がんリスクが高くなり、赤肉の摂取量が多い(1日に約80g以上)女性の結腸がんのリスクが高くなりました。男性では、赤肉摂取量によるはっきりした結腸がんリスク上昇は見られませんでした。

 

 

赤肉で大腸がんリスクが上がるのは、動物性脂肪を多く含むこと、ヘム鉄による酸化作用、発がん物質が腸内や調理過程(焦げ)で発生することなど理由と言われてきました。しかし、そうした作用は、「牛・豚といった赤肉に限らず、肉類全体の摂取を通してもあり得る」と国立がん研究センターも指摘しています。

 

 

 

何より、この研究で扱った「赤肉」とは哺乳動物の肉を指していて、部位は問いません。牛・豚は鶏などよりも脂身・脂分を一緒に摂りやすくなります。今回取り上げている「赤身肉」(脂身を除いたもの)とは、研究の対象が微妙に異なっていることも注意すべきです。

 

 

もちろん、牛や豚などに偏った食べ方をすることは問題です。ただ、日本人はそもそも赤肉の平均摂取量が少ない国民でもあります。先の報告書では、赤肉の摂取量の目安は、週に500gまでとされています。そんなに摂っている日本人は珍しいくらい。逆に言えば、数十g程度ならほぼ毎日、何の不安もなく摂っていい、ということです。

 

 

肉に含まれるタンパク質や鉄分の吸収の高さ、そして赤身肉それぞれの栄養価を考えれば、むしろ積極的に摂るべきと言えます。

 

 

 

日々の食事では、白身肉である鶏むね肉と、牛・豚さらに鶏もも肉といった赤身肉、さらには魚、そして大豆など、意識的に様々な種類のタンパク源を献立に採り入れることが大事。もちろん、野菜もしっかり摂って、バランスを心掛けていきましょう!

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