-花粉症とインフルの意外な関係?! 飛散量が多い今年、初期療法で先手を打ちましょう。-

2019.02.08

インフル流行が収束に向かいながらも続く中、早くも花粉症シーズンが到来。症状が出ていない方も、今から治療を始めれば楽に春を乗り切れますよ!

 

【まとめ】

 

☆すでに3分の1以上の人が感じている花粉の飛散。関東では昨シーズンの倍以上の花粉が飛ぶ予想。なぜ??

 

☆花粉症だとインフルにかかりやすい?! 粘膜の異常や炎症が防御力を低下させる!

 

☆本格的な飛散の1~2週間前から❝初期療法”を始めれば、シーズン中、症状が軽くて済みます。まだの人はぜひお急ぎください。

 

 

 

なぜ? 今年は花粉が大量飛散!関東も昨年の2〜7倍との予想!

 

 

今週の始め、東京では気温が℃まで上昇するポカポカ陽気となりました(その後また急降下ですが・・・)。その温かさが、ある異変をもたらしたようです。

 

 

花粉症です。これまで症状を感じずにいたのに、例年より早く出てきた、という声もちらほら聴かれます。

 

 

暖かさで、スギ花粉の飛散が加速した、ということ!

 

(ウェザーニュース)

 

 

ウェザーニュースによれば、1月の時点で既に、花粉症を持つ3分の1以上の人に症状が出始めていました。

 

 

怖いのは、少なめだった昨シーズンを大幅に上回る量のスギ・ヒノキ花粉が飛散すると言われていること。

 

 

昨年の10月の時点でウェザーニュースが発表している予想は次の通り。

 

6年ぶりの大飛散となる可能性。全国平均では平年の1.6倍の予想。

●東日本では平年の1.5〜3倍、関東でも昨シーズンの2~7倍になる見込み。

山陰は昨シーズンの7〜9倍に上るところも!

 

 

すでに何カ月も前に、飛散量の予測はつくのですね。

 

(ウェザーニュース)

 

 

決め手は、2つ。夏の暑さと、隔年で増減する傾向だそうです。

 

 

スギやヒノキの花粉は、雄花で作られます。晴れて暑い夏ほど、雄花は多くつき、花粉がたくさんつくられる傾向があるのです。昨年は梅雨明けが早く、日照時間も多く、記録的な猛暑でした。雄花がよく育った、ということです。

 

 

また、花粉の飛散量は1年ごとに増減を繰り返す傾向があります。昨シーズンは全国的に少なかったので、今年は多いと見られるのです。

 

 

花粉症だとインフルにかかりやすい、って本当?

 

 

この時期、風邪の症状が長引いていると思ったら、花粉症だった、という人が徐々に出てきます。

 

 

一方で、花粉症などアレルギー性鼻炎を持つ人は、インフルエンザに感染しやすい、という話もあります。

 

 

2010年の論文では、アレルギー性鼻炎の結果として起こる鼻ポリープの組織には、インフルエンザウイルスが感染しやすく、ウイルス量も正常な組織より多くなることが確かめられています。

 

 

さらに、2018年の論文でも、やはりアレルギー性鼻炎の粘膜はA型インフルエンザウイルスが感染しやすいことが報告されています。粘膜がアレルギー物質によって炎症を起こし、ダメージを受けていること、さらに免疫物質の産生量も減っていることから、感染しやすくなると見られます。

 

 

 

B型インフルエンザと花粉症についての研究は見つかりませんでしたが、メカニズムから考えれば、同じ傾向になる可能性は十分考えられます。花粉症をお持ちの方は、例年春先まで流行するB型インフルについて、いっそうの用心が必要になりそうですね。

 

 

それには、花粉による粘膜の炎症を、先手を打って抑え込み、状態をできるだけ正常に保つことが大事です。

 

 

早めの治療によって、それが可能、って知っていましたか?

 

 

お急ぎください! 症状が出る前からの“初期療法”が有効です。

 

 

実は、花粉症の症状を軽くするには、花粉が本格的に飛散し始める2週間ほど前からの「初期療法」が有効です。鼻アレルギー診療ガイドラインでも推奨されている方法です。

 

 

まずはアレルギー症状を抑える内服薬。代表的なのは抗ヒスタミン薬で、鼻づまり、咳、目や皮膚の腫れやかゆみなどの症状を改善します。

 

 

かつてのものより眠気も起きにくく、第2世代と呼ばれる「アレグラ」「ディレグラ」「ビラノア」「デザレックス」などがよく使われます。アレグラは子供用(アレグラFXジュニア)もあり、7歳から使うことができます。

 

(久光製薬)

 

 

内服薬に加え、有効なのがステロイド点鼻薬です。継続的に用いることで、鼻の症状だけでなく、眼の症状も抑えられます。

 

 

ステロイド薬を鼻から吸うことに抵抗がある人もいるかもしれません。しかし、よく処方される「アラミスト」や「ナゾネックス」などは、全身の副作用も少ないので安心です。どちらもミストを鼻に噴霧するタイプですが、ほぼ鼻だけに作用し、ステロイド成分が血流に乗って全身に回りにくいのです。

 

(GSK)

 

(MSD Connect)

 

 

ただし、副作用がないわけではありませんから、自己判断で使ったり使わなかったりするのは止めましょう。また鼻詰まりがひどい場合には、別のタイプの点鼻薬で鼻の通りを良くしてから、ステロイド点鼻薬を使うこともあります。いずれにしても、必ず医師の指導に従うようにしてください。

 

 

この週末の寒さと天候で花粉の飛散も落ち着き気味になるかもしれませんね。でも、その隙に、まだの方は急いで「初期療法」を始めてみませんか? ナビタスクリニックでも、内科で対応しています。お気軽にご相談ください。

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