インフルエンザは例年、A型の後にB型が流行します。まだまだ油断できません。出やすい症状や薬の効き目に違いはあるの?
【まとめ】
☆例年これからの時期に流行するB型インフル。基本的に症状はA型と一緒ですが、お腹に来やすい、症状が緩やかに表れてくる、と言われることも。
☆B型では今のところ耐性ウイルスは報告なし。しかし、もともと小さいお子さんにはタミフルが効きづらいという報告も。
☆とはいえ治療の基本は一緒。休養、睡眠、水分、栄養に気をつけ、自分の免疫力をバックアップして。
A型が影をひそめると出てくる? B型インフルは胃腸症状が強め?
1月に猛威を振るったインフルエンザ。流行の中心はA型で、そろそろ収束が見えてきたのではとも見られます。しかし一方で、例年この時期に勢いづいてくるのがB型インフル。今頃から春ごろまで続くことが多いようです。
ナビタスクリニック理事長の久住医師も、先日出演した「ひるおび!」(TBS)で、「主流行する型と、それが落ち着き始めた頃に勢いを増してくる型と、おそらくすみわけのような状態ができてしまうんでしょう」とコメントしていました。
ではA型インフルとB型インフルで、何か症状に違いはあるのでしょうか?確認しておきましょう。
インフルエンザの典型的な症状は以下の通り。
発熱(38℃以上、悪寒と共に急激に上昇)
全身の関節痛、筋肉痛、倦怠感(だるさ)
頭痛
のどの痛み、咳、鼻水
嘔吐、下痢、食欲不振などの消化器症状
これらの症状は、A・B型に共通して見られるとされています。
ただし、個人差があり、全ての症状が出てくるとは限りません。
そして個人差レベルですが、
〇A型では筋肉痛や関節痛が強く現れるのに対し、B型では嘔吐などの胃腸症状が多い
〇A型は急激に症状が悪化するのに対し、B型では緩やかに体調が悪くなる
と言われることもあります。
小さいお子さんのB型インフル、タミフルは効果が低い?!
特効薬の効き具合が、A型インフルとB型インフルで違う、という話もあります。
(中外製薬)
理由は2つ。耐性ウイルスが出やすい場合と、そもそも効果が確認されていない場合です。
先日、ゾフルーザで耐性ウイルスが確認され、ニュースになりましたが、それはA型のうち特に「香港型」(H3N2)という種類でした。
また、タミフルでは毎年、A型のうち特に「ソ連型」(H1N1)という種類で、わずかながら耐性が報告されています。
一方、B型については、最新の国立感染症研究所の発表でも、今までのところ耐性ウイルスは報告されていません(2019年2月1日現在)。
ところが特に年齢の低いお子さんの場合、B型インフルに対するタミフルの効果がそもそも低いとの報告もあります。タミフルを飲んだ患者さんと飲まなかった患者さんで、発熱期間に顕著な差がなかったのです。
加えて胃腸症状が強くて薬を飲めない場合はなおのこと、吸入式のリレンザの方が良い、という見方もあります。ただし吸入そのものが難しく失敗しやすいため、リレンザを避ける場合もあります。そのあたりは是非、医師と相談してみてください。
でも、基本はA・Bとも一緒。病気を治すのは自分の体です。
とはいえ、先日も書いたように、インフルエンザを治すのは最終的には自分の体。症状が深刻でなければ、安静、睡眠と水分補給、そして適度な栄養補給で、自分の免疫機能をバックアップしてあげることが、一番大事です。
一番いけないのは、治りきらないうちに外出したり、登園・登校・出勤したりすること。自分の体も辛いですが、耐性菌をばら撒いてしまうリスクも高くなります。
なお、インフルに限らず風邪の際、熱が朝下がったのに夜また上がって、というのを繰り返すことも、よくありますよね。治ったかどうかの判断が難しいことも。
これについても、先日の「ひるおび!」で久住医師が解説していました。
「人は朝のうちは副腎皮質ホルモンが分泌されていて熱が下がっているのですが、夜はその分泌が少なくなるため熱が上がります。当然のメカニズムなのです。ですから治ったかどうかの見極めも、朝でなく、1日通して熱がないかどうか、それが2日続くかどうかで判断してください」
これを受けて共演者から、「内科と小児科の診療時間を長くしてください」という意見が出ましたが、ご存じの通りナビタスクリックは毎晩21時まで診療しています(診療日は各院・各科で違いがあります。変更になる場合もありますので、適宜各院のページでご確認ください)。
体調に異変を感じたら、保育園後や会社帰りでも間に合いますので、ぜひお立ち寄りくださいね。