-【ひるおび!久住医師出演】全国で“集団感染”多発 インフルエンザ過去最多に迫る-

2019.01.31

昨日のTBS「ひるおび!」に久住医師が生出演。インフルエンザの基本や新薬ゾフルーザについて、共演者からの質問に答えました。

 

 

【まとめ】

 

☆インフル、なぜ1月から患者が急増? 予防接種は効かなかったの?

 

☆久住医師はゾフルーザをほとんど処方していません。理由は、価格と効き目のバランス、そして、まだ新しすぎるから!

 

☆ゾフルーザの耐性ウイルス、タミフルよりも検出率が高い!?

 

 

 

過去最高の勢いで患者が増加しているインフルエンザ。先週は前週より50万人増え、213万人の患者数(推計)を記録しました。この事態を受け、ナビタスクリニック理事長の久住英二医師が昨日、TBS「ひるおび!」に緊急生出演。多くの質問に答えました。

 

 

1月から昨シーズンを上回る大流行のインフル、なぜ今なの??

 

 

 

まずは下のグラフ。患者報告数を先シーズンと比べてみると、出だしは昨年(青)の方が上回っていたものの、1月を境に今年(赤)が逆転しています。

 

 

1月14~20日の段階で、インフルエンザによって全国の小・中・高校は、102校が休校、学年閉鎖が1,451校、学級閉鎖が4,721校となったそうです。

 

 

「当院でも例年、この時期はインフル患者さん数のピークですが、昨シーズンに比べても今年は1月に入って患者さんが多く来られています

 

 

と久住医師。その理由について、

 

 

ワクチンの供給が遅く、今年は予防接種を受けている人が少なかったからでは。去年もワクチンの供給が足りずに注射しなかったけどかからなかった。だから今年も大丈夫だろうと思ったけれど、今年はかかってしまった、という話をよく聞きます」

 

と話します。

 

 

また、今流行しているのは主にA型です。そして、これからはB型が流行する時期に入っていくと見られます。それについては、

 

 

「主流行する型と、それが落ち着き始めた頃に勢いを増してくる型と、おそらくすみわけのような状態ができてしまうんでしょう」

 

 

と久住医師。

 

 

 

A型もソ連型、香港型、B型もビクトリア系統や山形系統など種類が複数あり、運が悪ければ1シーズンに4回かかることもあり得るといいます。ただ、今のインフルワクチンはA型2種類、B型2種類の合計4種類から選ばれたウイルス株に対応していますので、受けた方は、ざっくりとどちらもカバーしていると考えられます。

 

 

インフル予防接種が効かなかった、なぜ? どの程度効くものなの? なぜ集団接種はなくなった?

 

 

それでも、ワクチンが効かなかった、つまり、打ったのにかかってしまった、という人も毎年必ず出てきますが・・・。

 

 

「確かに、よく効いた年、そうでもなかった年、という違いは出てきます。ワクチンの接種開始は毎年10月頃、その前に医療機関に供給されるのは9月頃ですが、どんな種類のワクチンをつくるかを決めるのはその半年以上も前の2月頃です。その時に予想したウイルスと、1年近く経って実際に流行したウイルスと、遺伝子の型が近ければよく効きます。そうでなければ、効かない人が多くなってしまうかもしれません」

 

 

「一般的にワクチンの効果はA型インフルに対して6割程度と言われています。それでも、予防接種によって例年、大人は感染率が半減(2.3%⇒0.9%)子供は3分の1に減少(30%⇒11%)します。また、脳炎など重症化も防ぐことができます」

 

 

かかってしまった場合にほぼ1週間近く身動きが取れなくなることや、重症化のリスクも考えれば、やはり接種を受けるべき、というわけです。

 

 

また、今年は全国的に集団感染が多くなっているようです。

 

 

 

これについては、

 

 

「インフルで亡くなるのは高齢者ですが、かかるのは子供がメインです。子供がかかって流行を拡げ、どこかで高齢者にうつしてしまう。それを防ぐには、やはり昔のように学校単位などで集団接種を検討してもいいのかもしれません」

 

 

との提案も。

 

 

児童へのインフルワクチンの集団接種は1994年になくなり、任意接種となりました。久住医師によると、きっかけは副反応が問題になった裁判。個別接種にして、まず1人ひとり接種の必要性の有無を医師が診断しましょう、という考え方が示されたそうです。

 

 

でも今、インフルエンザの予防接種は1回4000円以上するのが普通。2回接種するとなればさらに倍です。子供が複数の家庭では負担も相当のもの。共演者からも出た「家計を考えても集団接種の方が有難い」という意見、共感される方も多いのでは?

 

 

ゾフルーザ、久住医師がほとんど処方していない理由は?

 

 

さて、今シーズンは新薬「ゾフルーザ」にも注目が集まっています。昨年11月の時点で、医療機関に供給されたインフル治療薬の58%がゾフルーザだったそうです。

 

 

 

しかし前回のブログでも触れた通り、ナビタスクリニックではゾフルーザを積極的には処方していません。

 

 

一つの理由は、前回もお示ししたように、薬価と薬効のバランスの問題ゾフルーザは、タミフルのジェネリック薬の3.5倍の価格で、その割に効果が実感しづらい、ということでした。

 

 

「インフル治療薬はいくつかありますが、いずれもウイルスを殺す薬ではありません。体内で増えないようにする薬です。ウイルスをやっつけるのは、白血球などの免疫細胞、自分の体です」

 

 

「ゾフルーザの方が、体内のウイルスを減らすのは早いようです。ただ症状がなくなるまでには結局50時間くらいかかり、従来の薬とほぼ同じなのです」

 

 

 

もう一つの理由は、薬がまだ新しすぎるからです。久住医師は、「日本人は新しい薬を試す傾向がありますが、薬は新しければよいというものではありません」ときっぱり。

 

 

「新しいということは、稀に起きる副作用の頻度や内容もまだ分かりませんし、脳症や肺炎が減るのが増えるのか、といった薬の効果全体もまだ吟味できていません。データを集めて検証している段階です。従来薬との違いを加味しても飛びつくというほどの薬ではない、という判断です」

 

 

ゾフルーザの耐性ウイルス、タミフルより多く出現!?

 

 

さらに、先日見つかったのが、ゾフルーザへの耐性ウイルス

 

 

「いずれにしてもウイルスは遺伝子が不安定ですから、ゾフルーザに限らず耐性を持ちやすいのも確かです」

 

 

と久住医師。

 

 

国立感染症研究所によれば、実際、先日初検出された耐性ウイルスを調べたところ、特定の耐性ウイルスが流行しているというより、それぞれの患者の体内で、ごく一部のゾフルーザに耐え抜いたウイルスがそれぞれ増殖した可能性が高いと分かりました。

 

 

ほとんどのインフルウイルスがゾフルーザで死に絶えた中で、耐性のあるものが生き残り、かえって勢いづいて増えた、というわけです。治るまでの期間も、通常よりもかえって長くなっていたそうです。

 

 

 

また、同じく国立感染症研究所によれば、臨床試験では、ゾフルーザの耐性ウイルスの検出率は12歳以で9.7%、12歳未満では23.4%と高い割合が報告されています。一方、タミフルの場合は、耐性ウイルスの検出率は、成人で0.32%,小児で4.1%だったそうです。

 

 

これについて久住医師は、「同じ母集団で同じシーズンに調べているわけではないので、ゾフルーザが特別悪いということは言えません。ただ、ウイルスの薬は必ず耐性の問題が生じるもので、決して万能薬ではないと思っていてください」と説明します。

 

 

いずれにしても、完治しないうちに、「ほぼ体調がよくなってきたから登園・登校させよう、出勤しよう」というのは大きな間違い耐性ウイルスが外に持ち出され、特効薬の効かないインフル患者をどんどん増やすことになりかねません。

 

 

どの薬を使うかは、大きな問題ではないのですね。基本は十分な安静です。水分を充分に摂り、体調に合わせて食事をとって、完全に体調が回復するまでゆっくり休むようにしましょう

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