-【久住医師出演】毎日450人が中絶する日本。望まない妊娠を防ぐ最後の手段、アフターピルを入手しやすく!(AbemaTV)-

2018.11.13

昨夜放送のAbemaPrimeに、ナビタスクリニック理事長の久住医師が生出演、緊急避妊薬の入手ハードルを下げるよう訴えました。(前編)

 

 

【まとめ】

 

☆避妊に関する知識の不足、意識の低さから、望まない妊娠で毎日約450人が中絶している日本。背景には日本の性教育の未熟さが・・・。

 

☆避妊への最後の手段であるアフターピル。市販化は、女性の生き方を選ぶ権利の一環。しかし入手に医師の診察・処方が必要な日本・・・。

 

☆アフターピル入手のハードルを下げるために、オンライン診療・処方を開始。この2カ月、毎日のように相談が入っている現実。

 

 

 

久住医師が出演したのは、インターネット放送のAbemaTVで平日夜9時から公開生放送されている「Abema Prime」。「オトナの事情をスルーする」ことを宣言している、“スマホ世”代の若者のためのニュース番組です。(画像も同サイトから)

 

 

番組では今回、日本の中絶の現状と性教育の未熟さ、そして望まない妊娠を避ける最後の手段であるアフターピル(緊急避妊薬)の普及について議論が白熱。

 

 

久住医師も改めて、アフターピルの入手ハードルを下げ、女性や若者が望む人生を送れるよう、選択肢の幅を広げることを訴えました。以前このブログでもインタビューさせていただいた、若者に正しい性の知識と判断力を育む活動を続けるNPO法人ピルコンの染矢明日香代表も共演しました。

 

 

さっそく番組内容を振り返っていきましょう!!

 

 

※昨夜の放送を見逃された方は、こちらをクリック!

今夜まで無料で視聴できます。アフターピル問題は56分38秒頃から。

 

 

望まない妊娠で、1日に約450人が中絶している日本の現実

 

 

国内での人工妊娠中絶件数は、1年におよそ16万5000件。1日に約450人が中絶を行っている計算です。その背景の1つが、望まない妊娠

 

大学時代、妊娠や避妊に関する知識の不足や誤りから、予期せぬ妊娠と中絶を経験した染矢さんが、インタビューに答えました。「コンドームを付けずにすることもあって。はじめは大丈夫かなという気持ちで、その後は『これまでも妊娠しなかったから大丈夫かなと続けていたら、妊娠してしまった、という感じです」

 

 

その結果、妊娠。「中絶という選択をしたんですけど、やはりすごくつらい経験だったので・・・」。当時は就職活動に差し掛かる時期で、出産という選択には踏み切れなかったそうです。

 

 

妊娠を継続していれば、そのまま1人の人間が誕生していたわけで。その人生を私が奪ってしまった、という罪悪感は今もあります」と染矢さん。

 

 

ハードル高い“女性の最後の避妊法”。市販化は見送りに。

 

 

一般に、望まない妊娠の理由は、避妊の失敗や男性の避妊拒否、性暴力被害など、様々ですが、染矢さんが過去の過ちを踏まえて今、切に願っているのが、アフターピルの市販化です。

 

 

アフターピルは、通常の避妊に万が一失敗した場合の緊急避妊薬。性交渉後、一定期間内に女性が服用することで、高い割合で妊娠を回避することができます。しかし、日本で手に入れるには医師の処方箋が必要。たとえ女性が妊娠する可能性を感じても、病院に出向いて薬をもらうことは、ハードルが高いのが現実です。

 

 

だからこその市販化。

 

 

そんな声を受けて去年、厚生労働省でもアフターピルの市販化を巡る議論が行われました。

 

 

しかし、「安易に販売されて悪用や濫用の懸念がある」「避妊具を使うことが減って生還選書が増えるリスクは非常に大きい」「性教育が遅れている日本では時期尚早だ」といった懸念から、市販化は見送られることに

 

 

そもそも世の中の女性たちも、避妊に対する知識や意識の低い人が多く、アフターピルについてもまだ認識度が低いのが現状。以下、街頭インタビューです。高校生「(アフターピルは)知らない」。フリーター「(アフターピルは)聞いたことあるけれど、あまり知らない。(避妊するとしたら)ゴムですかね」。高校生「月曜日やらかした。中に。ゴムがなくって中でやっちゃいました(笑)」

 

 

性教育の遅れに立ち上がった女性たち――NPOピルコン

 

 

こうした現状の背景にあるとされるのが、日本の性教育の遅れ

 

 

染矢さんは自身の経験を踏まえ、2007年に避妊啓発団体ピルコンを設立。若者向けに、性に関するコンテンツを発信してきました。2012年に無料動画サイトにアップした「コンドームの正しい付け方」は、再生回数200万回に迫るなど、大きな話題に。さらに、中高生に向けて性教育講演も行っています。そこでは、「避妊に失敗した時に72時間以内(承認薬の場合)に飲むと、高い確率で妊娠を防げる緊急避妊薬があります」と、アフターピルについても説明しています。

 

染矢さんによれば、アフターピルについて知らないばかりか、妊娠の確認の方法も知らない未成年も多いそう。「日本では性交や避妊について、小中学校で扱うのは不適切だ、というような考え方がまだ多いですね」

 

 

「正しい知識を身に着けることで望まない妊娠を防ぎ、自分の心と体を守ってほしいというのが、染矢さんたちピルコンの願いです。ピルコンには、望まない妊娠への不安からアフターピルを服用した経験のあるスタッフもいます。

 

 

「飲んだ後は気持ちが落ち着いて安心感がありました。自分の体は自分で守らなければいけないなと、その時に意識しましたね」

 

 

「立て続けに2回飲んだこともあります。中で出すのをやめてくれっていうのが言えない、避妊をしてもらない状況でした。3回目の時に、仕事があってすぐに受診できず、土日を挟んでしまったので72時間過ぎてしまって、やっぱり妊娠をしてしまって」。その結果、中絶を選択せざるをえなかったそうです。

 

 

そんな彼女たちの願いが、アフターピルの市販化なのです。

 

 

 

少しでもハードルを下げ、いち早く届ける、オンライン診療・処方

 

 

腰が重い国の動きに対して、誰もが気軽にアフターピルを受け取ることができるようにと、オンライン診療・処方に踏み切ったのがナビタスクリニックです。

 

 

ナビタスクリニック新宿では、今年9月から「オンライン診療」でのアフターピル処方を開始(個人輸入による未承認薬。性交渉後120時間以内に服用)。取材の日も、スマホで相談してきた20代の女性に、久住医師が対応しました。避妊しなかったことを確認し、妊娠のリスクと薬の服用について説明。直接病院に出向かなくても、薬を郵送してもらい、受け取れます

 

 

病院に出向くとなると、恥ずかしさや忙しさ、誰かにバレたらという不安から足が遠のきがち。タイミングを逃してしまう原因になります。でも、オンラインでならと、この2カ月間、毎日のように相談が来ています

 

 

「皆さん忙しく働かれている中で、1粒の錠剤を受け取りにわざわざ医療機関に来てください、というのは難しい方もいらっしゃるんですね」と久住医師。「せめて薬だけでも飲んでもらえれば、ベストではないかもしれないけれど、望まない妊娠のリスクを少しでも下げられます」「アフターピルを処方する上で一番大切なのは、いかに早く届けるかということ

 

 

と、ここまではVTR。性教育と制度の遅れによって、多くの女性が厳しい選択を迫られている現実がスタジオ内にも伝わったようです。次回はスタジオでの議論のポイントをまとめていきます。

 

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