インフルエンザの予防接種が10月から始まります。子供は2回接種というのがこれまでの常識でしたが、世界的には、子供も条件次第で1回接種でよい、と考えられるようになってきています。
【まとめ】
☆厚労省は先日、インフルワクチン接種に関し「13歳以上は1回接種」と通知。しかし、13歳未満はこれまで通り2回接種の方針のまま。
☆WHOや米国予防接種諮問委員会では、過去に接種歴がある子供は、1回接種でよいとの見解を示しています。
☆ナビタスクリニックも、エビデンス十分と判断し、過去に2回以上接種したことのあるお子さんは、今期は1回接種も対応します。
インフル予防接種、厚労省は「13歳未満は一律2回」としていますが・・・
既に患者が国内各所で報告され、学級閉鎖も出てきているインフルエンザ。10月からは、予防接種が開始されます。先日は厚生労働省が、その接種回数について「13歳以上は原則1回」とする通知を出したことが報じられました。
その理由は、「2回接種の人が増えると、一時的に不足する恐れがある」ため、とのこと。つまり、13歳以上を1回とする理由は、ワクチンの流通事情によるものであって、科学的に必要かどうか、という議論に基づくわけではないようです。
ただ、たしかにインフルエンザワクチンの添付文書(要するに説明書)では、13歳以上は1回または2回注射、13歳未満は2回注射、としています。
また現在、接種回数について厚労省は以下のように方針を示しています。
①13歳以上60歳未満の健康な人は、1回接種が原則。
・慢性疾患がある人は医師の判断で2回接種となる場合がある。
・65歳以上と、一部の60歳以上の人は、定期接種(公費)でいずれも1回。
②生後6カ月以上13歳未満は、2回接種。
・2回接種した方が、より高い抗体価の上昇が得られる(=インフル免疫がしっかり付く)ため。
・1回目接種時に12歳で2回目に13歳の場合も、2回打ってもよい。
(写真:大阪大学微生物病研究所)
米国の最新基準――過去に2回以上接種した子供は、今季1回でOK
では、海外での接種回数はどうなっているのでしょうか?
世界保健機関(WHO)の見解は以下の通り。
・9歳未満と、過去に接種したことがない子供は、2回接種すべき
・それ以外の9歳以上の子供、健康な成人は、1回注射が適切
また、米国予防接種諮問委員会(US-ACIP)は、今年8月の最新の報告で、以下のように指南しています。
・生後6カ月以上の全ての人(医学理由で禁じられている人を除く)に接種を奨励。
・生後6ヶ月から8歳の子供は、2回接種。
・ただし、上記年齢でも、2018年7月1日までに2回以上接種したことがある場合(1回目と2回目は最低4週間の間隔をおいて)は、今季は1回接種でよい。
一般的に子供が2回接種とされるのは、免疫システムが未完成で1回のワクチン接種では免疫が付きにくいと考えられるため。しかし、過去に接種していれば、その免疫の記憶が残っています。再度の接種によってそれを呼び覚まし、補強することができると見られるので、過去に打っているお子さんは今季は1回接種で大丈夫、というわけです。
ナビタスクリニックでも、1回接種に対応します!
現実的に考えても、お子さんをインフルワクチンのために2回も接種に連れてくるのは、金額面でも、手間という点でも大変だと思います。特に小さいお子さんは、ただでさえ予防接種が次から次へと控えていて、ちょっと体調を崩すとスケジュールがずれてしまい、本当に悩ましいですよね。
そこでナビタスクリニックでも、1回のみの接種をご希望の方には、そのように対応します。
過去に2回以上、インフルワクチンを接種したことがあるお子さん(生後6カ月以上13歳未満)の場合、今シーズンの接種回数は1回でも良いと考えます。
WHOや米国予防接種諮問委員会の報告にもあるとおり、エビデンスも十分です!
ご希望の方は、「1回接種で」と予約時または受診時に、窓口スタッフにお伝えください。
なお、13歳以上の方は、厚労省の方針と同じく1回接種となります。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。
・ナビタスクリニック立川 042-521-5334
・ナビタスクリニック川崎 044-230-0580
・ナビタスクリニック新宿 03-5361-8383