-「おなかの風邪」、毎年10月頃から患者さんが増えてきます!-

2018.09.19

日中の日差しはまだまだ強め、でも、朝晩は温度が下がるようになってきました。そろそろ胃腸炎が増える季節でもあります。今から用心しましょう!

 

【まとめ】

 

☆「おなかの風邪」、多くはウイルス性胃腸炎です。特効薬はありません。気温が下がって来ると流行も。

 

☆発熱は2~3日、嘔吐は24時間程度、下痢は1週間程度。受診の判断のポイントは? 検査は必要?

 

☆予防には手洗いと消毒の徹底を。乳幼児のロタウイルス対策にはワクチン接種がお勧めです!

 

 

ウイルス性胃腸炎、口から感染します。特効薬はありません。

 

 

腹痛や嘔吐、下痢を主な症状とする「おなかのかぜ」は、冬に流行する代表的な感染症。ただ、一昨年などは10月に入って間もなく患者が増え始めました。朝晩が冷え込むようになってきたこの頃、もう油断はできません。

 

特に子供の場合に「おなかの風邪」と言われますが、多くはウイルス性胃腸炎です。

 

もっとも有名なのは、カキなどの二枚貝からの食中毒や、その二次感染が問題となるノロウイルス。さらに、5歳以下の子供が必ず感染して白っぽい水様便(下痢)が続くロタウイルス。また、プール熱の原因としても知られるアデノウイルスなど。

 

いずれも、かかってしまったら特効薬はありません

 

感染経路は口。ウイルスが人の手などにつき、その手で食べ物をつかんで食べたり、鼻や口などをさわってしまい、口からお腹に入って感染します。汚染された手でドアノブなどをさわり、そこに触れた人の手に付いて間接的に感染が拡がることも。

 

冬は低温で、ウイルスが生存しやすい環境のために流行しやすくなります。ですから、朝晩の気温が下がり始めた今の時期から患者が増えてもおかしくないのです。

 

 

元気がない、水分が取れない、ぐったりしていたら、すぐに受診を!

 

 

ノロウイルスやロタウイルスによる胃腸炎では、おおよそ1~2日間の潜伏期間(症状の出ない期間)の後に、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、発熱があります。これら全ての症状が出るわけではありません。ノロウイルスでは症状が続く期間は1~2日と短期間です。一方、ロタウイルスによる胃腸炎は、より重症のことが多く、赤ちゃんが突然噴水のように嘔吐したかと思うと、白い水様便が5~6日続くことも。

 

アデノウイルスは、胃腸炎に特徴的な症状だけでなく、咳や鼻水、喉の痛み、目の炎症(充血など)を伴うこともあります。

 

とは言っても、胃腸の症状が出てすぐにどのウイルス、といったことは分かりませんよね。目安としては、発熱は2~3日、嘔吐は24時間程度、下痢は1週間程度で落ち着いてくることが多い、と覚えておきましょう。

 

特効薬がないので、基本的には水分補給をして様子を見るしかありません。でも、決して放っておいていいわけではありません。子供の場合、嘔吐や下痢がひどく、脱水症状に陥るとキケンです。水分も摂れず、おしっこをほとんどせず、ぐったりしている場合には、すぐに受診を。点滴が必要かもしれません。

 

なお、病院での検査は、3歳以下と65歳以上は保険適用ですが、それ以外の人は全額自費。検査するかどうかは医師の判断になりますが、ウイルスが検出されてもされなくても、特効薬がない以上、できる対応は変わりません。だから検査をしないことの方が多いんですね。

 

 

予防の基本は手洗いと、正しい処理・消毒。ロタは予防接種を。

 

 

ウイルスは、感染した人の便や吐いたものに含まれます。

 

幼稚園・保育園や学校で流行し、家に持ち帰って家族に感染が拡がることも。予防には、正しい手洗い(関連記事はこちら)の徹底と、患者の便や吐いたものの適切な処理が必須です。

 

処理の際、使い捨て手袋を使わなかったり、事後の手洗いが十分でなかったりすれば、その手から感染が拡がります。

 

便や吐いたもので汚れてしまったものや床などは、消毒薬などで殺菌が必要。インフルエンザと違い、アルコール類は効き目が足りません塩素系漂白剤で処理するか、じゅうたんなど脱色してしまうために使えない場合は熱湯やアイロンスチームがお勧めです。

 

特にノロウイルスなどは、床やじゅうたんの掃除・消毒が不十分なまま汚れが乾くと、細かな塵となって空気中に漂いますそれを吸い込んで感染したケースもあります。また、カキやシジミなどの二枚貝の内臓に取り込まれていることもあります。生または不十分な加熱処理で食べた場合、感染します(食中毒)。そこから他の人へと二次感染が拡がることも少なくありません。

 

ロタウイルスの場合は、予防接種があります(関連記事はこちら)ので、乳幼児はぜひ接種を。費用は自費ですが、子供が苦しみ、親は看病で仕事を数日休まねばならないことを考えれば、打たない手はありません。ただし、生ワクチンなので、接種後は他の予防接種を4週間打てないことに注意が必要です。インフルエンザなど他の予防接種も必要な時期に入ってきていますから、未接種の人は早めに検討を。

 

ナビタスクリニックでもワクチンをご用意していますので、お気軽にご相談ください。

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